少年達のひと夏の冒険奇譚

本作は夏の思い出を残すため田舎の旅館に泊まりに来た三人の少年達が怪異に巻き込まれる物語です。

等身大の少年達を主人公にした謂わばジュヴナイル小説。そして、珍しくもクトゥルフ神話が絡む内容であり、その恐ろしさと不気味さ、特徴がよく表現出来ていて、臨場感のある恐怖を読み手に与えてくれます。

特に子供ながらの感性や好奇心の表現がとても上手いと思いました。読んでいてすごく懐かしい気持ちにもなりましたし、少年期の青春と思い出を振り返りたいと思う読者の方には是非とも読んで頂きたい一作だとオススメします。

一本の映画を見終えたような満足感、読後のスッキリ感、その点でも高く評価出来る作品です。

本作は完結を迎えましたので、この機会に手に取ってみては如何でしょうか。

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