第14話

職場


工場長「紬木君後で話があるから会議室に来てくれ」

優真「分かりました」

 いつもの何気ない顔で言われたので、何の話か見当もつかないと考えていると

日暮「工場長から直々にお話か、優真も昇格の時期か?」

 ふざけ半分で優真に言ってみるが

優真「何かまったく違う事な気がします」

 ふと端末を開き貯蓄時間を見る

優真(8000時間※①は超えている・・・不意に妹弟へ5分経つと100時間ずつ送られるようにする)

 考え込ませたと思い話を切り替える日暮

日暮「変装データ※②買ったんだよ、どうだ?欲しくないか?」

優真「いりません、どうせろくなことに使わないんでしょ?」

 くすっと笑いながら答えていると急に日暮が話を切り替える

日暮「本当に昇格とかの話じゃなさそうだな」

 工場内に入ってくる政府関係者を見て優真も頷く

優真「日暮さん今日は場所変えてください」

日暮「さん・・・ああ分かった、気をつけろよ」

 日暮が場所を変えて5分ぐらいで工場長が来た

工場長「紬木君来てくれ」優真は工場長に呼ばれ会議室に向かった


会議室

工場長「見てわかると思うが、政府直属の方だ」

政府関係者「紬木さんと二人で話をさせてくれませんか」

 強い口調で言われた工場長はすぐに会議室から出て行った

政府関係者「なぜ私が来たかお分かりですか?」

優真「いえ、分かりません」

 今にもお互いに殴り合いそうな口調で二人が話しているとドアの外で物音がした

政府関係者「誰か盗み聞きですかね・・・」

 扉を開けると掃除ロボットがうろうろしていた

政府関係者「またここも故障ですか・・・」扉を閉め話を続ける

政府関係者「紬木さん、貴方がこの端末製造工場に勤めてから何度も起きてることですよ」

紬木「何のことだかまったく見当もつきません」

 紬木は日暮が違法行動をとってることを思い出すが、全部優真を守るためにしているので口には出さなかった

政府関係者「違法プログラムの中でも反政府軍と繋がりのあるものばかりでした・・・」

政府関係者「仲間または、犯人を言わないみたいですね、分かりました・・・・貴方を反逆罪として処分する方面で進めさせていただきます」

 紬木は黙ったまま端末を差し出す

政府関係者「物分かりは良いようですね」

 政府関係者は端末にプラグを差し込み操作してから返し説明を続けた

政府関係者「貴方の端末からアップデートプログラムと貯時間を没収させていただきましたあと、もう家に帰っても良いですよ まあもうこの工場来ることはありませんが・・・」

 悪い予感が当たったと感じつつ、自分への怒りを抑えつつ帰宅した


※①8000時間は2880万

※②体の見た目を別物にするプログラム

帰宅道


優真(日暮さんって反乱軍と繋がりがあるのかな・・・)

 悩んでる所に真也がやってくる

真也「紬木昨日はありがとうな」

 悩んでる真也を見て更に話す

真也「何かあったのか?俺で良かったら話を聞かせてくれよ」

 優真は何があったか全て言った

真也「反政府軍が違法プログラムを作ってるのは聞いたことあるけど、実際に売るとなると直接会うか、一回使用して端末に害がないと証明されてからネットで中古販売になるな・・・」

 真也と優真は後者のネット販売で買った線で考える

優真「中古販売なら少なくとも名刺を同封しなきゃならなかったよね」

 蓮兎が買った時に名刺が入ってるのを思い出す

真也「反政府軍なら本当の住所書くかな・・・それに本当だったとして、そこに行くのはかなり危険かと」

 悩ましい顔でどうしたらいいか考える

優真「日暮さんと出会ったのは、おれが今の仕事をする前でその時から中古プログラム買ってたし、反逆行為をするような人でもないし・・・」

真也「そうなると・・・その日暮さんは利用されてるのかもな」

 二人共悩み考えてると不意に真也が王冠型のバッジを差し出す

真也「紡木家分あるよ」

 優真が何なのか聞こうとすると

真也「おれがプログラムを作りたくないって両親に反発した時に自作したやつだよ、まあ気休めだけどお守り代わりに持っててよ」

優真「ありがとう」

 優真はお礼を言いつつ端末ケースにバッジを取り付けていると日暮が来てることに気がつく

優真「日暮さん、日暮さんは大丈夫だったんですか?」

日暮「ああ、俺はなんともなかったんだが・・・その子は?」

 真也に目を向ける

真也「紡木の元同級生で仲継真也といいます」

 日暮は動画のことを思い出したが顔にも出さず続けて言う

日暮「状況はわかってるようだから君にも言っておこう」

 真剣な顔で話し始める「あの職場に紡木が来るだいぶ前・・・まだ、ご両親が元気な時に頼まれたんだよ、子どもたちを頼むって・・・」

「それでな、完全なホワイトな状態では守れないことはわかっていたから、グレーゾーンのプログラムを使っていて、値段と使用回数・・・まあこれは俺の時間事情だな、中古を買うことにしたんだ そしたら紡木があの職場にくる少し前から・・ある中古プログラム販売店に声をかけてもらった、それを使用してたら・・・まあこのざまだ」

 申し訳無さで肩から崩れ落ちそうな日暮に優真が支えつつ質問する

優真「購入した時に名刺は入ってましたか?」

 道の端まで連れて行ってもらい座り込み、胸のポケットから名刺を出した

日暮「名刺はこの一枚だけだ、他は特殊な液がかけられてて箱からデータチップとを取り出す際に灰になったよ」

真也「これは燃えなかったんですか?」

 かなり不思議な顔で質問する

日暮「開封時にしっとり?ぬれてた感じだったから多分そのお陰で燃えなかったんだと」

優真「それ貰って良いですか?」

 日暮はそう来るだろうという顔をしつつ名刺を渡した

日暮「もう一つ渡すものがある」

 日暮はポケットからデータチップを取り出し優真に渡した

優真「これは?」

日暮「工場長と政府関係者の会話データだ、暗号化された会話だったから一部分しか分からないが見てくれ」

{これから・・・・・機密情報だ、われられが調べてる反政府軍に直接繋がる・・・無いから紡木とやらを利用し、反政府軍の持っている・・・・・・・・・・回収したい

 もし失敗しても・・・・・・抹消するのでご安心を}

真也・優真「回収・・・抹消・・・」

日暮「解読出来てないとこが多いが、反政府軍が持っているなにかを回収しなかったら・・・であってそうだな」

 三人とも少しの間沈黙する

優真「俺が接触できないかやってみます!真也、日暮さん手伝ってくれますか?」

日暮・真也「ああ任せてくれ」

 間髪入れずに二人共が言う

日暮「今日は家に帰ったほうが良さそうだな」

 周りを警戒する日暮

優真「何か進展があったらお知らせします」

真也「俺も何か分かったら知らせるよ」

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