第2話

将矢「うん大丈夫今は無い、おやすみなさい」

優真「明日も学校だし寝るか、おやすみ」

 凛華を起こさないようにそっと立ち上がり部屋に戻る

 布団に入った優真は端末を開き残り時間を見て安心した顔になる

優真「これだけあれば来年幼稚園に入る凛華、小学生の蓮兎、中学生の将矢、高校生の鈴音の当面は大丈夫だ」

 端末を閉じて眠りにつく


※①嗅覚を一時的に高めるプログラム

長女

紬木 鈴音(つむぎ すずね)15歳  6月27日生

優真お兄ちゃんに心配させないよう頑張りすぎる性格

まったりした性格にも見えるが、しっかりした性格

自分のことを後回しにするお優真兄ちゃんの事が心配で仕方ない

翌朝


優真「おはよう鈴音、将矢・・・あれ蓮兎は?」いつもはしゃいでご飯を食べる蓮兎の姿がないのに気がつく

鈴音「蓮兎は熱が出て寝てるんだ・・・」

 申し訳なさそうに言う

優真「なら病院代を渡しとかなきゃね」

 端末を操作し2時間※①送信する

優真「病院の帰りにあまりで何か買って、いつも学校あるのに家の事してもらってるし」

 更に申し訳なさそうな顔になる鈴音

優真「他に何かあったのか?」

涼音「あの・・・」

 大体検討はつくが、それはさせたくないから先に切り出す

優真「学校は諦めなくていい、またポンコツベビーシッタープログラム※②が壊れて、これ以上時間を使いたくないからだろ?」

 ため息混じりに優しく言う

鈴音「ごめん・・・」

優真「謝る必要ないよ、誰でも風邪はひく それと、午後からは俺が蓮兎と凛華を見るから、鈴音は学校に行ってな」

鈴音「ありがとう」

 少し笑顔になった

優真「あ、将矢は途中で帰らなくても大丈夫だから楽しんでこいよ」

将矢「うん・・」

 なぜ早退しようとしたのが分かったのか不思議そうな目で見る

優真「将矢の事だから蓮兎と凛華の様子を見に帰ってくると思ってな」

凛華「いーい、ねーねおはよぉ」

 眠そうな顔でやってくる

凛華「れんにーには?」

優真「れんにーにはお風邪ひいてねんねしてるんだよ」

 頭を撫でながら言う

凛華「もう!あかちゃんじゃない」

 手を弾き不貞腐れる

鈴音「お姉ちゃんだもんねー、お姉ちゃんだからちゃんとご飯食べよっか」

 優しく誘導する

凛華「またバナナ?ホットケーキたべたい!」

優真「凛華!今日は優にーにの給料日です!」

 むくれながらもバナナを頬張る凛華に笑顔で話を切り出す

凛華「きゅうりょうび?」

優真「うん!時間が貰える日だよ!ショートケーキ買って来るぞー!」自慢げに言う

鈴音「いいのそんなに?時間大丈夫なの?」かなり心配そうに見つめる

優真「大丈夫、ボーナスも出るから!」にこやかに言う

 やれやれとした表情で「なら大丈夫ね」と鈴音が呟く

将矢「行ってきます・・」凛華「いってらったい」バナナを頬張りつつ言う

涼音「いってらしゃい、お兄ちゃんも時間じゃないの?」

優真「あ!時間だ!行ってきます!」


※①2時間は7200円

※②フォログラムによる未就学児の世話をするもの

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