概要
教会で働き、幼馴染らと過ごした十八年の思い出を持つフィアル。
世界を灼く宿命を背負い、百年に一度目覚める長き眠りの記憶を持つ紅き乙女。
フィアルはふたつの想いの狭間で、恋に、世界の命運に、戸惑い揺れて――。
彼女が断つことになるのは、世界か、それとも――。
これは、灼ける輪廻の果てに紡がれた、切なく燃ゆる恋の物語!
※「世界を変える運命の恋」中編コンテスト参加作品です。四万字超ほどでひとまず完結します。応援していただけると嬉しいです。どうか、よろしくお願いいたします。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見せ方が素敵に感じました!
レビューを書きたいなと思ったきっかけが、2点あります。
1点目が、文章が綺麗だなと思った点です。
よるかさんの他小説もそうですが、言葉の使い方や文章の造りが、綺麗だなと思っています。書き手として羨ましいと思っています(´ω`)
とりわけ、地の文の書き方は、勝手に勉強させてもらっています……!
2点目が、(ミスリードあればすみませんが)微妙に解釈が難しいと思った点です。
今回の場合、主人公がフィアルであることは疑いのない事実だと思いますが、他方で、彼女を「紅き乙女」たらしめた魂(?)もまた主人公的キャラとなり得るのではないかと思いました。
この点、レビューとして稚拙な考察を書くのも憚れられ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!永遠の輪廻を断ち切るのは、宿命か恋か
世界を灼く宿命を背負った少女、フィアル。
百年に一度、裁可を下す――あまりにも酷であるが、逃げることなく向き合う彼女の芯の強さ、そして過去と『今』との間を揺れ動く気持ちは、宿命などではなく『人』である。
背後から何度も囁かれる理(ことわり)に抗おうと思えたのは、幼なじみのリミーナやシレイスの存在が大きいだろう。
特にリミーナは明るく元気な女の子で、ふたりのシーンは可愛く微笑ましい。
シレイスのまっすぐな思いもまた熱く純粋で、フィアルに染みこんでいくのは当然だと思える。
紅蓮の輪廻に繋がれた乙女は、その恋心で世界をどう変えていくのか。
是非ご一読ください。 - ★★★ Excellent!!!切なさの果てにあるのは、極上の愛
リィンカーネーションという、輪廻にまつわる業を背負った少女、フィアル。
彼女は、全てを諦めきっていました。
そう、シレイスと出会うまでは。
紅き乙女――百年に一度、世界を焼き尽くす使命を命運を繰り返す存在。
冒頭部分、フィアルが記憶を取り戻すまでの描写がとても優しく、丁寧なだけに余計に辛いものがありました。
世界の人から見れば、彼女は敵なのかもしれません。
しかし
彼女は『紅き乙女』という役割をこなしているに過ぎないのです。
長い、長い輪廻の中で。
シレイスに恋心を抱いてから訪れるフィアルの心理描写、その繊細さは読む者を圧倒させます。彼女に背負わされた輪廻を共に追随するのです。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鳴り響くな終焉の鐘の音、心に響く祝福の鐘の音
身も蓋もない話ではあるが、未見の読者がいるのならば、まずは一言だけ残そうと思う。
自分の冗長なレビューなどは読まずに、下の一行のみを読んで物語の一頁目へと向かってほしい。
端的な言葉になってしまうが、タグを見て一瞬でも自身の好みに引っかかったのならば、本作のあらすじに目を通すべきだ。正しきタグ付けが行われており、良きあらすじが綴られていると感じた。
この物語は貴方との出会いを待っている。
せっかく見つけた物語を見逃すのは、勿体ない。
さぁ、頁を開こう。
――繰り返す、繰り返す紅い闇に囚われているように思えた。
だが、降り注ぐ日差しは暖かく感じ、夜の星は煌めいているよ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!灼かれる運命の世界を救うのは、恋なのかもしれない。
百年に一度世界を灼く宿命を背負った紅き乙女が、とうとう目覚めてしまった。修道女フィアルにはそれまで生きた十八年間の自分と、紅い世界の記憶が入り混じる。大好きなリミーナと、最愛の人シレイス。何気ない大切な日常を灼き尽くす運命の日が、すぐそこまで来ている。
「なぜ世界を灼かなければならないのか」
フィアルが生きる世界が美しく尊く描かれているからこそ、どうか思いとどまってほしいと願わずにはいられませんでした。それまで平凡に生きて来たフィアルという少女と、突如目覚めた抗いようのない宿命。二つに分断されそうなほど揺れ動く心の動きをまざまざと見せつけられ、感情がぐっと引きずり込まれます。
「運命」そ…続きを読む