本当はこんなもんだ

第1話

よく本やドラマ、映画などで出てくる「多重人格」。面白いくらいに事件や犯罪などに巻き込まれたり時に華麗な探偵、残忍な犯罪者などになったりする。でも現実ではどうか…。

何も起きない。

平和です。本当に申し訳ないほど何もないです。

事件にも犯罪にも巻き込まれないし華麗に推理したり残虐殺人なんかもしません。

毎日が平和です。現実ではそんなもんです。

期待してた方々にはただただ申し訳ないのですが、

多重人格障害を抱えている私の日常は平和そのものですよ。

起きて、ご飯食べて、仕事して、家に帰って愛犬を愛でる。事件や犯罪に巻き込まれたりしない。

そりゃそうだ。事件や犯罪に巻き込まれたりしたらパニックになる。それは誰だってそうでしょう？

多重人格じゃなくてもパニックになるもんでしょ⁉︎

現実では滅多に事件や犯罪には巻き込まれない。

それが誰にもやって来る毎日です。

そんな夢を壊すようで申し訳ないのですが、私の毎日は平和なんですよ。

ただ頭の中に別人格達がいるだけです。　ちょっと…いやかなり頭の中はやかましけど。

多重人格障害とは解離性同一性障害という精神疾患の症状の一つです。「障害」とつくから言うからにはもちろん様々な症状などもあります。

言い方悪いですけどピンからキリまであります。

つまり程度がある訳ですが。軽い方もいらっしゃるし重い方もいらっしゃる。症状も人それぞれです。

ちゃんと専門医もいるし治療法もあります。

特殊診療というカウンセリングだってありますよ。

そもそも多重人格って珍しいものではありません。

意外といらっしゃいます。

そして毎日が平和です。

多重人格障害ってそんなもんです。

ちなみに私は障害の程度で言えば重い方かと思います。何人別人格達がいるのか分からないくらいたくさんいます。常に頭の中は戦争です。でも上手くやってます。