死神くんと聖女ちゃん～夏休みの湯けむりダンジョン攻略～

はー、温泉いきたーい！

そう私が思うあたりで、ハーレム状態なのに、品定めをしているシーンが面白かった。

モテると選べないけど選べる。

この相反することが成立してしまうのですね。

全体的に、様々な要素が含まれていて、勿体無いくらいの宝箱です。

短くまとまっていますが、濃厚な味わいへと巧みに読ませています。

文体は、ライトノベルなのですが、少し文芸寄りです。

是非、ご一読ください。

最後の温泉シーンまで、飽きる事なく楽しませて頂きました。めちゃくちゃ面白かったです！　キャラクター、設定、セリフ、タイトル、何もかもセンスが良すぎます。ルビの振り方でさえ、嫉妬してしまいそうになりました（笑）短編だけでも、作者さまの作風を余すことなく堪能できます。……すごいなぁ。尊敬です😂ありがとうございます。

前半は、バスに乗って怪異の【隠れ里】に向かう主人公「死に神」が、様々な妖怪に愛される物語です。

後半は、上述の渋谷の怪しいキャッチのような台詞で、『特殊警察怪異対策課』の仕事をすることになった「死に神」。

短編の中では、それほど多くバトルシーンは出てこないですが、主人公の能力を
考えると腐乱死体はどうなるのか、考えながらページをめくっていました。

主人公の能力や周囲の女の子達の性格を考えると、物語がさらに広がっていきそうな気がします。設定も面白いので、是非とも、長編で登場人物の魅力を発揮させてあげてほしいです。

主人公の少年は、
・彼女になりたい、かわいい聖女
・こっちに気がある年上お姉さん
・ツンデレ幼馴染み
と女の子達に囲まれて、モッテモテ！

しかし、本人は自覚がないようで……。

何より、聖女さまの能力が、とんがっている。
良いのかその能力。という、振り切れっぷりです。
タイトル、「湯けむり」も、きちんと回収されております。
読後感は爽やかです。
ぜひ、ご一読を。

最近有名どころの小説も似たり寄ったりの内容が多くて頭の中に少し水アカがついてたのですが、斬新な発想と奇想天外の世界観。
読むだけで頭の中がピカピカになりました。

人の評価や傾向ばかりに気を取られて自分が本当に書きたいことを忘れてしまった人たちにぜひ読んでほしいです。