第8話 お分かり頂けただろうか?
せめて、武器ぐらい持たせて欲しい所である。
相手は【
俺の異能は通用しないだろう。当然、他の手は考えてある。
そのために【
俺は攻撃を
そして、地面へ手を触れると
ズドンッ!――という腹の内側に響くような衝撃を受けたが、それは相手も同じだろう。
より下層へと降りることに成功したようだ。基本となる風景に変わりはない。
ただ周囲は黒一色となり、墓や木々、草花の
そんな世界へと姿を変えた。俺の領域へと相手を引き
当然、俺の領域なので【
ゲームで1階層の
黒と赤の世界で、俺と
勝負は
背中に負ぶさっているのは妻かもしれない。
人が【穢れ】を帯び、怪異となるのに、もっとも簡単な方法が存在する。
それは大切な存在を自らの手で穢すことだ。
彼は妻と娘に
それよりも、早く能力を解除した方がいいだろう。
放って置くと
それは俺の創り出した
浸食を解除し、最初の階層へと戻ってくると〈
【穢れ】を右手に集め『光の玉』へ
どうやら、望みを叶えてくれるようだ。
困ったことに、解釈を
これには
今回は長老たちが創ったモノだろう。
影響は『【隠れ里】の中だけ限定』と考えればいい。
温泉に入りたい――と願う事にした。
次の瞬間――ザブンッ!――と
温かい。どうやら、温泉の中に放り出されたようだ。
(こんな事だろうとは思っていた……)
俺は立ち上がると、少女たちと目が合う。
ペルセと氷那姫、香夏子と――
普段は聖衣を
氷那姫も成長しているようだ。白い肌が綺麗だった。
香夏子もすっかり女性の身体になっている。
胸の大きさは二人に
珠子師匠については、特にコメントするようなことはない。
旧スクール水着などが似合いそうだ。
「セーイチさん、分かっていますよね?」
笑顔を浮かべるペルセ。だが、目は笑っていない。
お分かり頂けただろうか? 家に帰るまでが
人を裸にするクセに、自分の裸を見られるのは嫌なようだ。
ペルセがお約束の
だが、今回は甘んじて受けよう。
どうせ温泉なので、裸になったとしても変ではないハズだ。
その後、長老たちに文句を言ったのだが、
俺はまったく悪くないと思うのだが、氷那姫と香夏子を連れて、東京へ戻るハメになる。長老たちは最初から、そのつもりだったようだ。
『
三人には謝ったのだが、怒っている様子はなく、キョトンとしていた。
すっかり東京での新生活の方に意識が向いている。
『女三人
帰りの席順も勝手に決められてしまった。
俺は飛行機の中で考える。もしかすると――怪異が増えたのではなく、人が大切なモノを失っただけなのかもしれない――と。
取り
家族や友人、周囲の人を裏切る人間が増えている気がする。
「大丈夫にゃ~♪」
と隣に座っていた珠子師匠。相変わらず根拠はないのだろう。
俺がそう思っていると、
「誰かと一緒だから、人は自分という存在の大切さに気付けるのにゃ♪」
俺の心を見透かしたような
ペルセたちが
「お客様の中に聖女様はいらっしゃいませんか⁉」
CAが慌てた様子で声を上げる。
どうやら、無事に東京へ帰るのは難しそうだ。
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