第6話 聖女召喚?
自称『聖女』こと
季節は桜散る春だった。温かくなった
この時期は、全国各地で変なヤツらが
そうなると同調するかのように怪異たちも
トラブルの種は『ずっと引き
俺たちにとっては、
その日も窃盗団を追い掛けて、俺は街を
相手が人間のみの場合は出向く必要はないのだが、人間と怪異との区別がつき
人間たちによる情報収集能力の高さと怪異の異能が合わさった凶悪事件である。
犯罪に手を貸すような連中は、表面上の出来事か、自分に都合が良い出来事しか認識していないようだ。
育った環境にも原因はあるのだろうが簡単に利用されてしまう。
後は、そいつらの中に怪異を
俺が追い掛けている男も、利用されている側の若者かもしれなかった。
怪異相手に異能を使うのは問題ないが、ただの人間相手は
特に俺の異能は被害が大きくなる。
――【死神】の対極になるようにゃ、
と珠子師匠には言われているのだが、宗教関連の人間が俺たちに手を貸すとは思えない。
元々、宗教関係者は怪異と対立関係にある。
聖職者や祓魔師、祈祷師など、怪異を倒す代名詞だ。
「
などと、その日も軽口を返していたのだが――
(どうやら拾ってしまったようだ……)
俺の目の前に浮いているのは、純白の聖衣に身を包んだ愛らしい少女だ。
アタッシュケースを大事そうに抱えていた男。
俺の異能で、その視力を奪ったのだが、
持っていたアタッシュケースを盛大にぶん投げてしまった。
通常は鍵が掛かっているので、開くハズなど無いのだろう。恐らく、アタッシュケースを開けようとしていた
壁に激突したアタッシュケースは物の見事に開いていた。どうやら、転移魔法が
最近は【
たまに闇市場で
少女の重みが直接、腕に伝わる。こうして、俺はペルセと出会ったワケだが、今も彼女を保護する任務を継続している。
まあ、俺の【死神】の異能を打ち消してくれる聖女の存在が
しかし、それで女の子を危険な目に
だが、どういうワケか最近のペルセは、やたらと事件に首を突っ込んでくるようになった。一度、師匠に相談したのだが、
「分かってないにゃ~♪」
と返されてしまう。分かっていないのは、俺と一緒にいると危険な目に
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