第11章 合否とハグ

コンビニに着いた。制服の生徒がちらほらみえはじめ、鼓動が早まった。Aがもし落ちていたらどうしょう。Aが泣いていたらなんて声をかけよう。そんな不安を紛らわすためにコンビニで飲み物を買うことにした。

 レジに行く前、アンパンマンのチョコがあることに気が付き、ついでに買ってみた。

 Aが来るまで時間がかかった。喉が渇く。

 Aを待っていると、見慣れた車がやってきて近くに駐車した。日向先生だった。私は少し複雑な気持ちだったが、1人でAを迎えることが不安だったので、来てくれて良かったと伝えた。

 そして、Aが来た。

 肩くらいの長さの黒髪ボブ、儚い二重、少しラメの入った涙袋、雪のような白い肌、少し汚れた学校指定の靴。いつものAだった。

 Aはこちらに気づくと、ダッシュで近づいてきた。

 そして、今まで見た事ないような笑顔で、

     「受かりました!」

 と言った。嬉しかった。涙が込み上げてきて、もう髪が触れそうな位置まで近づいてきた彼女を私はそっと抱きしめた。頭を撫で、泣きそうな声でよく頑張ったねと囁いた。彼女も私を抱き締め返した。か細い腕で、精一杯抱きしめる彼女が愛おしくてしょうがなかった。

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