第9章 寝落ち

スマホの通知の振動で目が覚めた。Aからだった。Aはいつかみたいに「寝れないから電話しよ」と文章を送ってきた。私も寝れないと返信し、また電話をすることになった。

 Aは言った。「せんせがいるからせんせと同じ大学に入りたい。」「せんせがいなかったら私しんじゃう。」「せんせの匂い好き」と、会話の全ては覚えていないが、印象的な言葉は今でも忘れなれない。私も思いを伝えた。「好きだよ。」と。照れるAと私はなぜ大事な日の前日にこんなことをするのだとしばらく笑っていた。寝そうだから電話を切ろうとするとAは怒った。寝落ち通話をしたかったようだ。スマホを充電器に繋げ、また寝落ち通話をしてしまった。

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