第15章 五感
日付が変わったちょうどその頃、私は街灯で照らされた田舎のあぜ道を歩いた。
ザッザッ、と靴で砂利を踏みしめる音。街灯に集まる蛾や小虫の羽音。絶えず流れる小川の音。五感が冴えきっていた。
夜の世界は素晴らしい。誰一人もいない静かな街で感傷に浸れるのだから。
橋から川沿いに繋がる階段を降りた。コッコッと靴が音を立てる。私は裸足になり、ちょうど膝の高さくらいまで浸かり、また感傷に浸った。雲の隙間から見える少しかけた月が水面に写った。
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