第9話エクストラスキルの龍王召喚を使う

冒険者ギルドから戻って宿屋の部屋へ行くと、疲れが溜まっていて、バッタンキューと倒れるようにベットで寝たのであった。

お腹の”グゥ~、グウルルぅ~“と言う音に目が覚め、外は真っ暗になっていた。シャンと2人して、宿の1Fの食堂で遅い晩飯となった。

晩飯を食べていると、興奮した冒険者パーティーが入って来て酒を飲みながら喋っている。

「なあ、聞いたか昼間出た龍は、あの大きさや魔素値、波動の強さからあれは、龍王と結論付けられたそうだぞ。

冒険者ギルドから全冒険者に緊急事態による出動命令が出されたそうだ。」

「ああ、普通は冒険者ランクC以上に強制される招集を冒険者ランクF以上と緊急処置で発令されたそうだ。

それ以外のランクも希望者は参加Okだそうで全員に参加代として金貨1枚づつ配るらしい。」

「何でも、冒険者ギルドマスターが言うには、あの龍王は500年以上無敵を誇るやばい奴で、英雄さえもブレス一吹きで倒したらしい。

しかも、2回英雄による討伐隊があり、戦いを挑んだが2回共、龍王のブレス一発で消し飛んだらしい。英雄達は冒険者ランクにすると全員Sランクに相当したそうだ。

400年前には勇者の5名のパーティーは、戦わず龍王が龍王の城から動けないことを確認し、人に災いを起こすことが出来ないことを知って、酒などを納めて仲良くなったらしい。

その動けないはずの龍王が出たのだそうだ。

今ここで全戦力で持って対応しなければ、人族どころか全てが死に絶えてしまうらしい。

戦って死ぬか、逃げて死ぬかどちらにしても、死ぬ事になるだろうとの事だ。

逃げ場がないなら殺るしかない。」

シャンの耳にも入ったようで胸を張りドヤ顔である。

「どうよ、タクマ妾の偉大さが分かったか。妾は無敵の存在なのだぞ。フフフフ、ハハハハハッ」

「1分間しか龍王になれないけどね。」

「それを言うな、タクマ訓練じゃ、最低でも1日変身が出来ねばナメられるというものだ。」

「誰がナメるんだよ。やだよ、面倒くさいし、あんなにデカいもの、何処で訓練するんだよ。バレてしまうじゃないか」

「大きさは大丈夫じゃ、伸縮自在のスキルを持っているから、大きさなら2m程で変身する事ができるぞ。」

「それより、全冒険者に招集が掛かるそうだから、タダで金貨1枚ゲットだぜ。何せ、ここに龍王本人が居るんだから危険も無い。

明日冒険者ギルドに行って登録するぞ。」

「何を言っておる。お金は国が幾つも買えるほど、妾の城から持っていったではないか、腐る程お金を持っているなら、これ以上は必要がなかろうが、今はLvUpに心血を注ぐべきだ。ダンジョンでも行って魔物を倒すのじゃ」

「分かったよ、Lv上げは俺も考えてはいた。

南門から出て3時間程歩いたところに俺等でも入れる初級ダンジョンのボルダーダンジュンが有るそうだから、行ってみるか。

先ずは冒険者ギルドへ行って、精算をしてから向かうぞ。それで良いな。」

翌日、宿屋で朝ご飯を食べて、昼ご飯用の弁当にサンドイッチを多めに作ってもらった。

冒険者ギルドへ向かうが街なかも色んな虚言が飛び交っている。

「やばい龍王という魔物がこの街を襲って来るらしい。早くここから逃げねば。」

「勇者に封印された龍王が蘇ったらしい。」

「魔王の龍王というのが、復活したらしい。」

「魔王の龍王は人が好物らしい、一度で一万人を食らうそうだ。」

「今まで封印されていた龍王が復活したらしい。封印されていたから、お腹が空いていてこの王都に狙いを付けたらしい。」

「龍王というのは、残酷、残虐、冷酷、無慈悲、無知、アホ、凶暴、大食漢、引きこもり、ワガママで神様に封印されていたのが、解けたらしい。」

シャンはワナワナ震えて

「誰じゃあらぬ噂を流しているのは、見つけたらボコボコにしてやる。」と憤慨している。

街中は騎士や兵士、冒険者等がフル装備で走り回っている。

王都周囲の塀の壁の上には騎士の弓隊、投槍隊、投擲隊、魔術師、魔法使い、魔法隊、魔導師隊、魔道士隊、冒険者、傭兵等で戦闘態勢を取って警戒している。

それを見ながら冒険者ギルドへ入ると皆殺気立ち、昨日よりも慌ただしく作戦等をたてている。

受付には女の子が居ない為、近くにいた冒険者に聞くと、当分は龍王に対応するから受付は休みだど言う。

仕方無しに門を出て、ボルダーダンジョンへ向かう。

いつもは、門を出たところに居る薬草採取している人が1人も居ない。

南門を出て、ボルダーダンジョンへ行く、初級者用で低ランクの魔物しか出ないと言われている。

中に入るが新人冒険者の1人も居ない。

龍王の件で、低ランクの冒険者にも、金貨1枚やるそうなので、皆それに飛び付いたのであろう。

地下9Fが最深部となっているので、底まで一気に低ランクの魔物を倒しながら向かい、人が居ないのを確認する。

するとシャンがしつこく、龍王召喚を催促するので仕方なく龍王を召喚すると、シャンの身体が光り、2mの龍王になるのだった。

大きさが違う為、召喚時間も長くなるかと思われたが、1分でシャンの龍王の召喚が解けてしまった。

しかも小さくなったシャンはそのまま気絶してしまった。

4時間程で目覚めたのだが、力を全部使い切ったようでフラフラであった。

「タクマまだまだじゃ、召喚をやって来れ。」

「フラフラじゃないか、そんなんでできるわけ無いだろ。今日はこれくらいにして、明日、続きをやれば良いじゃないか。」

「駄目じゃ、早く召喚時間を伸ばさねばならぬ。休んでる暇はないんじゃ。」

「???、何をそんなに焦っているんだ。龍王の召喚は、人前ではやらないからな。

バレるのは嫌だし、こんなに龍王の良からぬ噂が囁かれているのに、皆がパニックになるだろうが」

「だからじゃ、妾の真の力を皆に見せつけるのじゃ、街などブレスの一吹きで消滅じゃ、それでこそ、妾が怖がられ崇められるというものじゃ。ガハハハハハ」

”ゴン“つい、ゲンコツをシャンの頭に打つのだった。

「あが〜、何するのじゃ痛いではないか。タクマは妾に対して敬意がたらぬぞ。」

「もし、本気でそういう事を言っているのなら、お前と手を切り、二度とお前と合わないぞ」

「ぐぬぬぬぬっ、冗談じゃ本気な訳が無いじゃろ」

疑いの眼差しで見ていると、

「ごめん、悪かったもうそういう事は言わない。」

まぁ、反省しているならいいかと、魔物退治を再開しょうとするが、フラフラなシャンは壁に手を付きながらでなければ歩けない程であった。

「タクマ、お願いじゃ、もう1回だけ召喚を頼む」

「分かった、もう1度だけだからな。”召喚龍王“」

しかし、シャンはうんともすんとも何にも変化がない。

「みろ、やはり疲れが取れてないから召喚は無理のようだ。」

「ぐぬぬぬぬ、致し方ない。分かったのだ」

そんなに疲れているならと、今日は帰る事になった。

ボルダーダンジョンから出て街へ向かって街が見えてきた時、巨大な気配がする。

南の空から巨大な黒竜200m程の大きさと10m程の白龍が戦いながらやって来た。

どう見ても黒竜が白龍を殺す勢いで攻撃をしている。2匹が向かっている先には王都がある。

2匹を見たシャンが

「あの白龍は、700年前に転生をした妹分ではないか?、何故にこんなところに居る。

そうか、転生が成功して妾に会いに来てくれたのか。不味い、このままでは黒竜に殺られてしまう。タクマ召喚龍王を頼む。助けたいんじゃ。」

「分かった。”召喚龍王“」と叫んだが、やはりシャンは変わらずであった。

「タクマお願いじゃ、妹分の白龍を助けてやって来れ、頼む!」

本当にこのままだと、白龍は死んでしまうだろう。何か手はないかと考え、OFFになっている龍王の力を1時的にONにしようと思う。

ステータスの龍王の力ONと強く念じた所、龍王の力が溢れ出す。

龍王の威嚇を使い、黒竜に向け放ちながら言う

『オイ、そこのお前ここで死ぬか、尻尾を巻いて逃げるかを決めろ。』

すると、2匹の龍と竜は、狼狽えながら白龍は飛んで逃げて行き、黒竜は俺を確認すると頭を上にあげ、ブレスを吐く体制を取った。

俺達の後には城の街があり、このままでは黒竜のブレスにより街は壊滅状態になるのが分かる為、止む無く、龍王のスキル瞬歩を使い、黒竜の首まで移動すると龍王のスキルの龍斬撃切を使い、剣の一太刀で黒竜の首と胴体が離れてしまった。

すると、街から盛大な歓声が起こる。

”ウオオオオオオオオーッ“ヤバい見られた。

直ぐに黒竜をアイテムボックスに収納し、ステータスの龍王の力をOFFにして、シャンを抱えて南門からではなく、少し遠回りをして北門から街に入ったのだった。

北門でも南門の方ので2匹の龍と竜が南の上空に見えたようで、小さい白い方は逃げて大きい黒竜が人の手によって倒されたと大歓声が起きている。

そこを目立たないようにして門から中に入ったのだった。

黒竜を倒した英雄は誰だと、龍王を倒す為に力を貸してもらおうと、考えて国をあげて、探し回ったらしいが結局分からずじまいだったようだ。

俺はヒヤヒヤしながら、バレていませんようにと祈るのだった。

次の日も王都の街は、警戒を解いてないのでダンジョンに行く準備をしていた。

シャンは、昨日の疲れが響いているのか、まだ寝ている。

宿屋の食堂で朝食を部屋で食べるからと2人分用意させ、弁当を頼んでいたときだった。

1人でいると、後から声がする。

「あなた誰、何故に姉様の力を持っているの。姉様の龍王をどうしたの?。

答えの返答次第では、貴方と刺し違えてでも貴方を倒します。」

見るとガタガタ震えながら気丈に立ち、こちらを睨み付けてる10才位の髪が銀色のお人形さんみたいな、キレイな可愛い子がいた。

その顔が段々龍の顔に変わって歯をむき出しにして殺気と、威圧を向けて来た。

「ファ〜ア、タクマ朝ご飯を食べて、またダンジョンに行くぞ、召喚出来る時間を延ばす訓練をするぞ。」と階段からシャンが降りてくる。

「お姉様、探しました。龍王の城に行っても、もぬけの殻でそんな時、お姉様の波動を感じましたので直ぐにこちらに向いましたの」

そう言ってシャンに抱きつく女の子だった。

「おぉ、白龍ではないか。先程の龍波はソチだったか。転生が上手く行ったようじゃな。

700年前の転生で、やっと目覚めたのか?。

まだ力が完全には目覚めてない様だ、目ざとい黒竜めが、転生仕立てで力のない小さい白龍を襲ったのだな。

そのバツを黒竜は受けたのじゃ、ガハハハハハハ」

「お姉様、その姿はどうなさったんですか?普通の人間になってます。

それに龍王は玉はどう成されたんですか?ガーディアンであるお姉様が何故に人間界に居るのです?」

「チトしくじってしまってな、お遊びのつもりでこのタクマを龍王の城に転移したら、龍王の玉がタクマの中に入ってしまったのだよ。

だから龍王の玉のガーディアンとして、コイツから離れられないのじゃよ。」

「???、取り出すことが出来ないのですか?」

「まあな、色々規定があって秘密だが直ぐには無理そうじゃな、仕方無しにコイツと冒険者をやっている。」

「なら、私もお姉様と一緒に冒険者になります。

タクマとやら、私もお姉様と同行します。」

「はあ〜、分かったよシャン、後で決めたルールをコイツにも教えておけ。後1つ追加する、村、街、国を壊さない、消滅させないだ。

取り敢えず冒険者ギルドに登録する為に、部屋でお前の名前決めとフェイクでステータス操作を行うぞ。」

「何でお前に名前を付けられないといけないんじゃ、信用出来ぬな。」

「タクマが白龍を襲っていた黒竜を剣の一太刀で倒したからお前の命の恩人だぞ。」

「ひぃえ〜、あの龍神様の如き威圧を出したのがコチラの御方ですか。その節は助けて頂き有難う御座いました。是非名前を付けて下さい。」

「要領のいいやつだな、まあ、いいさ部屋に来てくれ」

部屋に行くと先ず名前を付ける

「白龍だから名前は”ハク“でいいな」

「分かりました。私の名前はハクです。」

すると、シャンと同じ様に自分とハクの身体が光り合わさると俺の身体に光りが消えて行く。

俺のステータスを見るとやはり、俺の眷属となりエクストラスキルの召喚魔法に白龍の名前がある。

自分のステータスを見ると、

村上 タクマ(男) 独身 13才 人族 称号=龍王の球と結合した異世界勇者 状態=正常(龍王の力、現在OFF) 職業=冒険者ランクG 加護=リュウグウ光神 Lv=25 

Hp=309(7500200)/309(7500200) 

精神p=1775(9000196)/1775(9000196)

Mp=550(5500200)/550(5500200)

力=253(960210) 魔力=239(450200) 精神波=11190(1800200) 精神力=1625(1200200) 敏捷=229(180200) 知力=248(210200) 防御力=242(990200) 運=115(MAX)

スキル=剣術LV3 盾術LV2 槍術LV1

弓術LV2 投錨術LV1 体術LV1 剣技1貫通突き 言語理解 アイテムボックス(無限、時間停止) 異常耐性 瞬歩 龍の威嚇威圧 龍斬激切 (龍王の力OFF)

固有スキル=MAP (龍王の力OFF)、眷属(シャン、ハク)

エクストラスキル=生活魔法、召喚魔法(龍王、白龍)、★?、★? (龍王の力OFF)

これを見られたら不味いので鑑定•ステータスフェイクの指輪で以下のようにした。

村上 タクマ(男) 13才 状態=正常 職業=冒険者ランクG Lv=25 Hp=309/309 Mp=550/550 力=253 魔力=239 敏捷=229 知力=248 防御力=242 運=115

スキル=剣術LV3 盾術LV2 槍術LV1

弓術LV2 投錨術LV1 体術LV1 剣技1貫通突き 瞬歩 龍斬激切 言語理解 生活魔法Lv3

と鑑定とステータスフェイクの魔導具の指輪で書き換えたのであった。

黒竜を倒したからか、Lvが一気に上がっていた。少し高いかなとは思ったがこのままで行こうと思う。

龍王の玉をONにした時に使った瞬歩、龍の威嚇威圧、龍斬激切がスキルに入っていてビックリである。龍の威嚇威圧は無理があるように思えたので隠したのであるが、フェイクなので普通に使える。

固有スキルに眷属が増えていてシャンとハクの名前があった。

エクストラスキルの中の召喚魔法の( )内には龍王、白龍が書かれていた。

それらも見えないようにステータスフェイクしたのであった。

ハクもステータスフェイクをして、一般人並みに下のように書き換えたのである。

ハク(女) 7才 人族 状態=正常  職業=無職 Lv1 Hp=20/20 Mp=90/90    

力=12 魔力=37 敏捷=9 知力=15 防御力=7 

運=19

スキル=体術Lv1 噛み付き 白魔法 光魔法 水魔法 風魔法

とステータスフェイクし、龍関係の力は見えないように隠したのである。

だが、これは龍の力を隠している為ステータス✕100がハクの本当の力なのである。

シャンも次のようにした。

シャン(女) 9才 人族 状態=正常  職業=冒険者ランク仮H Lv15 Hp=210/210 Mp=180/180  力=219 魔力=107 敏捷=115 知力=105 防御力=72  運=56

スキル=体術Lv3 剣術Lv2  火魔法 索敵 威圧

と書き換えたのである。シャンは龍王のブレスを吐いたせいか龍獄炎魔法というのが合ったが、人には使えない物の為、火魔法とした。

街中はまだ竜を倒した人捜しと龍王の対策で慌ただしいが、希望が見えて来たとの事で少し和らいだ感じがする。

冒険者ギルドに入ると受け付けが再開されており、メルルさんの所へ行き、ハクの冒険者登録をして、仮冒険者ランクHのプレートをもらい、首に掛けてやる。

「昨日は龍王対策の冒険者招集には、見えませんでしたね。仮冒険者も含めてほぼ全ての冒険者が登録をして金貨1枚もらってましたよ。

低ランクの人程喜んでましたので、きっとタクマさん達も来ると思ってたんだけど、どうかしましたか?何か合ったんですか?」

「いや、低級のボルダーダンジョンに泊まり掛けで、避難のつもりで入ってたから、これなかったんだ。そうそう、昨日出来なかった薬草採取の精算と昨日、その時倒した魔物の精算もお願いします。」勿論黒竜は出さずに置く。

そう言って精算も済ませる。

こんな時にワザワザ本当のことを言ってLv上げしに行ってましたと言ったら勘繰られるか、頭がおかしいと思われるから嘘も方便で誤魔化したのである。

「まだ、当分は依頼板の方は提示されませんが、薬草等は重宝されますので、何時でも買い取りますよ。でも王都の外壁外は竜等が暴れているので危険ですので無理はしないようにして下さい。」

用事を済ませて出口へ向かうと、酒場の方では色んな意見や考えが人それぞれ違うらしく、激しく言い争っている。

「だから、国をも滅ぼせるあの黒竜を簡単に倒したんだぞ、あんなに強いやつは高ランクの冒険者か、英雄や勇者しか居ないんだ。奴等が黒竜を倒したに決まってるんだ」

「黒竜を倒せる人は英雄か勇者と決まってはいるが、その人達はその時城壁の中にいて、そいつ等が倒したのではないことは確かなんだ。」

「じゃ、何で名乗り出ないのだ、黒竜を倒したなら国からも、貴族や領主や冒険者ギルドからも一生遊べる金をもらえるんだぞ。」

「分からんが、何か事情があるのかも知れん。人前に出れないような何かが」

「そう言えば、そいつが龍の威嚇威圧というのを使ったらしいが、そいつも龍が人に化けているとは考えられないか?」

「龍王を倒すにはそいつの力を借りねばならないんだ。何としても探し出せ。」

「黒竜は倒したが逃げた小さい龍が居たから、油断はできん。注意しておかねばな。」

噂話を聞きながら、コソコソと冒険者ギルドを出る。ハクが

「何でコソコソしなければならないんだ?黒竜を倒したのはタクマだと言うべきだ。

それとお姉様がここに居るから危ないことはないと言えば良いだろう。龍王の危険は無いと教えるべきだ。」

「俺が目立ちたくないんだよ。」

ハクの装備を買い、シャンと同じ様に動きやすいように胸当て、手甲にカラクリナイフが出し入れ可能のものと、ショートソード、それと魔法が得意と見えたので30Cm程の魔法の杖も持たせてある。

ハクの力等を確認したいのと、Lv上げを兼ねて、ボルターダンジョンへと向かう。

途中には騎士団がいて黒竜を倒した辺りを調べていて、通行止めとなっているので、方向転換をしてMAPで魔の森の魔物を探すが見事に反応がない。

昨日の龍や竜を怖がり退避したようである。

「魔物が居ないな、そろそろ移動もありだと思うから隣町にでも行くか?」

「うむ、その方が良かろうて、西のずっと遠くの方には海に接した国があったはずじゃ」

「今では7つあった国々が魔物に対抗するためにウエイン神聖国家に統合されているから、手続きも簡単に出来て、移動も楽だと聞いている。海産物も美味しいんだよな。」

「なぬ、海産物とは、どんな食べ物なのじゃ、考えただけで涎が出るのォ」

「もし、移動するならハクが背中に乗せてあげるから、直ぐに行きましょう。」

「まあ待て、ここの兵士には世話になったから挨拶をしたいから、明日行くとして今日は休みの日としよう。」

街への門から入ったところで、シャンとハク2人と別れて兵士訓練所へ向かう。

「マーベラス隊長、ヤガス兵士長、サマンサさん達に西の方へ移動する」ことを言うとマーベラス隊長が耳打ちをしてくる。

「ミーサ神官長がリュウグウ光神様にお伺いを立てたそうだが、お前が龍王で黒竜を倒したのがお前だと神託を受けたそうだが本当か?」

バレテーラ、惚けることにした。

「何のことか、分かりませんが龍王の事は安心しても良いと伝えて下さい。では失礼します。」

と早々に逃げてきたのである。

帰りに通り道のスラム街近くを通ったときだった

「お前達、我が龍王の下僕達よ、暫くは遠くに行くからこの金で飢えを凌ぐが良い。」

「はい、龍王様助かります。」

「ウム、妾のために力を磨いておけ、ガハハハ」

15人程のガリガリに痩せた子供達がいて、この前の薬草採取で知り合った子供達であった。

シャンは、そう言ってお金を渡している。

側にはハクがいて、俺に気付いたハクは、シャンにそのことを言うと俺を見たシャンは顔を真っ赤にしている。

「タクマこれは、我が部下の教育の為であって、決して腹を空かせたのを助けるためでは無いからな。」

まぁ、良いかと見てないふり、知らないフリをして立ち去ったのであった。

あんなにも毛嫌いしていた人族と仲良くしていたなんてどういう心境変化なのかは分からないが、良い方へ変化しているなら問題ない為、ホットク事にした。

翌日宿屋を引き払い、マーベラス隊長の事もあるので東門から出て離れた所でハクに白龍に変身してもらい、背中に乗り回り道をしてもらい、西の遥か離れた海近くの港街近くで降りて、歩いて港街へと入る。

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