第2話兵士の訓練を行いゴブリン退治に行く
ミーサ神官長の計らいで「勇者様方と同じ騎士の訓練では気まずいと思いますので、兵士の訓練を一緒に受けてはいかがでしょうか?」
「はい、お任せします。」そう決まり
第2兵士隊長マーベラス·ムーン·ウォークを呼び出し「この方をあなたに預けます。
この世界の常識や武術、魔法等を教えて上げて下さい。よろしく頼みましたよ。」
「ハッ、このマーベラス·ムーン·ウォーク御期待に添えるように頑張ります。」
自分の方を向き言う。
「第2兵士隊長のマーベラス·ムーン·ウォークだ。マーベラス隊長でよい。立派な兵士に鍛えてやるから大船に乗ったつもりで付いてきてくれ。」
「ありがとうございます。しかし兵士になるつもりはなく、3ヶ月程の短期間訓練をお願いします。後、異世界人だというのは他の人には黙ってて下さい。生きづらいです」と言うとミーサ神官長とマーベラス隊長は、苦笑いをしている。
紹介を受けたマーベラス隊長は、約10000人の兵士を束ね、その下に兵士長が10名おり、1人1000人束ねているらしい。
兵士は上等兵〜見習いがあり、見習い兵士は全員兵舎に寝泊まりするのが決まりとのことである。
勇者達とはここで別れて、マーベラス隊長に連れられて、見習い兵舎の内の一棟に行く。
50mほどの長さで右と左に二段ベッドがズッラーと並んでおりカーテン等無く、プライベートすら無いのである。
その二段ベッドの一つの下のベットを割り振られ、兵士の服、武器、防具、荷物入れのリュックサック等を与えられた。
夕食時の為、兵舎には誰もいなく食堂へと向い、食堂へと集まっている見習い兵士に紹介され、皆と一緒に翌朝から早速訓練に参加するように言われるのであった。
翌日、夜が明ける前から叩き起こされ、朝ご飯を食べ、俺を含む見習い兵は、ベテラン兵士に混ざり、朝早くから体力作りという名目で近くの訓練場まで10kmのマラソンそれもフル装備で、1人30kgの石の重しの入ったリュックサックを背負い走る。
最初は(俺には絶対無理じゃん、異世界に来るまでは運動嫌いのウンチ、しかもポッチャリ体型で体力も無かったから絶対に無理じゃん)と思っていたら、若返った13才の体は万能だった。
ベテラン兵士にも遅れることなく付いていける。
(あれ、俺のステータスは、一般人並で新人兵士よりも劣ると言われていたのにベテラン兵士に何とかついて行けてる。)
訓練場の山まで行き剣術、槍術、盾術、弓術、対人戦術、魔物戦術、魔法等を習うのだが、魔法以外はギリギリ何とかついていけてる。
他の兵士からも”ニィチャン、中々やるな、頑張るな“と褒められて素直に嬉しい。
兵士の魔法には基本となる、火、水、風、土の4大魔法と身体強化魔法(攻撃力上昇、防御力上昇、速さ上昇、力上昇等低レベルの戦闘用魔法)を訓練するのだが、見習い兵士でも1つは使え、2つ以上使える人もいる。だが、自分は魔法は一切使えない。
ある日、訓練の休憩時に見習い兵士の一人と話をしたのだが、その人は兵士の訓練で色々なスキルを手に入れて冒険者になるのが夢だそうでその話に感銘を受けた。
自分も三ヶ月後お城を出たときは冒険者になろうと決意したのだった。
但し冒険者をしていて、実力不足を実感し命の危機を感じて冒険者を辞めて兵士になった人もいた。
その人はステータスがほぼ自分と同じだった為、その人以上のステータスにしなければ命の危機に陥るはずだから目標としてそれ以上でスキルもなるべく取るつもりである。
ある日の魔法の訓練で、初めて目の前で魔法を見て物凄く感動して、必ず自分もマスターしてやると静かに闘志を燃やしたのだったが自分には、魔法が発動することがなく、日中の訓練を終了後、お城に帰ってから魔道士の弟子の魔術士の人と一緒に訓練を行うことになった。
体力が持つか心配したが疲労はあるが、バタンキューと倒れる程でもないし、異世界に来たらやっぱ魔法じゃん。魔法で魔物をバンバン倒す。男のロマンだよなーとワクワク感が止まらない。
お城に帰って魔術士達から訓練用の魔法の杖をもらい、基礎となる魔法の練り方、呪文、魔法のイロハを卓上、及び魔法を使うための訓練場等で習うが一向に発動することが無かった。
魔術士長サマンサさん、(女の人で20才のオレンジ色の髪、茶色の魔法の帽子、茶色のローブ穏やかな人だが色気が半端ない人で側に近づくと“ホワァ〜ン”と意識を持っていかれそうなくらい良い香りがする人。どうも結婚に焦っていて男の人を魅了する魔法を常に身にまとって要るらしい。)
そのサマンサさんいわく「魔法には属性が有り、その属性が合えばすぐ身に付くが、無い人でも訓練を頑張れば、必ず身に付けられますので諦めないで下さい。
属性は先天的に持つ人と後天的に訓練等で身に付けることが出来ますし、ダンジョン等でも宝箱からたまに出る、魔法関係のスクロールや本等で身に付くことができますし、また魔力とMPさえあれば、魔導具で魔法を発動させることが出来ますので、魔力の訓練とMPを増やす訓練は必ずしてください。」と希望を与えられたのであった。
魔法の練り方は、身体中の力をミゾオチに集めると、そこが熱くなりそれを体内で回すというもので、かなり熱い魔力が体内を回っているのを感じる。普通はそれを魔法へと変換するのだが、自分はそれが出来ない。
MPを増やす訓練は、MPを気絶するまで使い切るとほんの少し増えるというやり方が一般的の様だ。
自分のスキルに生活魔法と言うのがあるので、自分も使えるはずだという。
生活魔法というのは、一般家庭の奥さん達が使う
魔法なので軍隊やお城では教えてないとのことであった。
魔法は後天的でも覚える事が出来るとの事なので、冒険者に必要な火魔法と水魔法は必ず覚えようと、暇があれば魔法を練り、呪文の復唱などを行うが、目眩で度々倒れることがあった。
魔術士長のサマンサさんいわく、「魔法欠乏によるもので、魔法の発動条件は満たしているはずだからそのまま頑張れば魔法が使えるはず」だと言うので、特に休日は朝から夜遅くまで10回以上は魔法欠乏で気絶してしまうが、30分程で目を覚ますので再度、頑張ったのだった。
それから2ヶ月程訓練した頃、朝食を食べているとマーベラス隊長と自分が配属された第3歩兵隊1000人を束ねるヤガス兵士長が来て言う。
「皆食事をしながら聞いてくれ、今日は朝食後に王都から西へ2日程行った所の300人程が住むサカヤマ村の周辺に小鬼共が増えて、町の冒険者だけでは手に負えなくなっているからと村と町から国に討伐依頼があったので我が隊で討伐に向かう。」
「「「「ウオオー本番だなゴブリンは弱いから丁度いい、やるぞー」」」」
「「「「ようしゃー、思い切り暴れるぞー」」」」
「「「「訓練の成果を見せてやる」」」」
皆やる気十分で、自分もテンションが上がるのだった。何でも冒険者をやっていた見習い兵が言うにはゴブリンの右耳を冒険者ギルドに持っていけば金になるから、出来るだけ集めてそれで飲み会の代金にしようと言う話になった。それは規律違反にはならず、むしろチームワークが良くなるため推奨しているらしい。
一時間後ゴブリン退治に向う兵士1000人に混ざり、行進して行く。
歩いて2日かかる為、普通はキャンプの準備や食料等を準備してから出発するのだが、訓練の一環として現地調達し、最速で現地に向かう為、訓練装備のみで朝食後出発したのだった。
2ヶ月訓練で鍛えられたその時のステータスは
村神タクマ 男 13才 人族 称号=異世界勇者かも知れない男 状態=正常 職業=見習い兵士
加護=リュウグウ光神 LV=1 HP=60/60
精神P=1400/1400 MP=280/280
力=21 魔力=12 精神波=10900 精神力=1355 敏捷=9 知力=15 防御力=15 運=70
スキル=剣術LV1 盾術LV1 槍術LV1
弓術LV1 投錨術LV1 体術LV1 言語理解
アイテムボックス(無限、時間停止) 異常耐性
固有スキル=MAP
エクストラスキル=生活魔法、★?、★?、★?、★?
と全てがほぼ上がっていた。訓練の賜物で初等兵並とのことである。厳しい訓練のお陰で剣術、盾術、槍術、弓術、投錨、体術がLV1になっていたが、魔法の方はまだ身についていない、しかし魔力欠乏まで何度も魔法の訓練をしたせいか、MPがかなり上がっている。
サカヤマ村までマラソンでほぼで向かい、たまにショートカットして、魔物の森を突っ切る。村人の犠牲者をなるべく出さないためにも直ぐに行かねばならないためだ。
昼ご飯の休憩時、元冒険者経験者がゴブリンについて教えてくれた。ゴブリンは1m位の人型魔物で、二足歩行の緑色の肌、醜悪な顔、頭には毛が無く小さな角が幾つか生えており、いつも裸で何でも食べ、人の男は喰らい、女はサラって子を産ませるのだという。残虐非道な魔物だから、容赦せず一匹残らずに必ず息の根を止めるように言われる。
ヤガス兵士長が話に加わり続けて教えてくれる。
ゴブリンはある程度学習することが出来るので、年を取ると人真似で防具を身に着けたり、武器を持ったり、魔法を使える者も出て来て、パーティーを組んだり集団で動いたりするらしいので絶対に舐めてはいけない。
油断して死んだ冒険者が沢山いるとのことだ。ゴブリンは、住処を持ち500匹以上の集団の場合はゴブリン兵士、ゴブリンアーチャー、ゴブリンソーサラー、ゴブリンリーダー、ゴブリンキングと強い個体が出てきて、役割分担を指示するやつが居るとさらに討伐が厄介になり、こちらにも犠牲者が出ることもある。
そんな話をしていたら、不意にヤガス兵士長が俺に「魔術士長のサマンサさんから魔法を習っているんだってな、サマンサさんは恋人はいるのかな?キレイな人だからやっぱ要るよな。はぁ~。」
ヤガス兵士長は貴族の4男だそうで、実直で誠実な人柄で貴族や民間人の区別や差別などを嫌う大柄な人で顔が角張ったハンサムな人だ。
「イヤ、居ないと思いますよ。それなりに脈があるか聞いてみましょうか」そう言うと俺の両手を握り「頼むぞもし、上手く俺と付き合えるようにしてくれたら、我が家に伝わる剣技の貫通突きを伝授するのを約束する。イヤ前払いで今から教えるから必ず付き合えるようにしろ。」と言うのであった。
(少々焦り過ぎじゃないかと思うが剣技を教えてくれるというので)「付き合えるよう努力します。ヤガス兵士長とサマンサさんは相性いいと思いますよ。」と本音で言うと鼻の下を伸ばして
「本当か、俺もそう思ってたんだ。」とモジモジするのだった。
昼の休憩時に人気のない場所に2人で移動し、剣技1の貫通突きの極意を習う。
一度は説明を行いながら大岩に向けて突きを放つと1.3Mのソードの刃が全部大岩にノメリコムのであった。「この突きは腰と足を正確に1点に全集中することにある。腰と足の力を1つに伸ばし、そして極意は練った魔力を剣先に集めるのだ」手取り足取り教えてもらって、やってみろと言われ、大岩に対峙して剣を抜き、腰と足に力を集中し、剣先に練った魔力を集め、気合を込めて突きを放つと自分の持つ剣の半分程が大岩に貫通することができ剣技1の貫通突きを一発でマスターしてスキルに付いたのだった。
ヤガス兵士長が「嘘だろ、ホンの1時間程でマスターできる技ではないはずだが、俺でさえマスターするのに5ヶ月は掛かったぞ。」というのであった。
2日掛かると言われていたサカヤマ村に夕方近くに付くことができたが村につくまでに前を走る兵士達が60匹のゴブリンを含む魔物を倒していた。
ゴブリンの右耳は既に取られた後だった。
元冒険者の仲間がゴブリンのミゾオチを触っているので「何しているんだ」と聞くと俺を手招きして
「ココを触ってみろ、小さなポッチがあるだろう。これはゴブリンの魔石なのさ、皆んなはゴブリンの臭い血が付くのを嫌がって取らないが、冒険者になるなら、覚えておくといい。コレは金になるんだ、どんなに小さくても1個1銀貨になるから」と教えてくれるのだった。
ナイフでゴブリンのミゾオチを切り裂き米粒ほどの透明な石が出てくる。
ただ、一番弱い部類の魔物のため5匹の内、1匹の確率でしか取れないという。
それからは、二人して魔石をとったのである。
ヤガス兵士長が村長に会い、状況報告を受けると西に半日行ったところの崖の所にゴブリンが集落を作っており、討伐依頼を受けた冒険者のグループが5組、約24名が帰って来ないのだというのを聞き、作戦を練る。
「明日の早朝に討伐に向かう。今日は早めに休め、見習い組は夜どうし警戒と朝の食事を用意するように、ベテラン組は夜明け前にゴブリンの集落の偵察をするように。後アイテムボックスを持つタクマは討伐組と一緒に行動するように」と決まったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます