第10話西の港街で海賊退治のつもりが魔物に襲撃される

白龍の背中に乗せてもらい、白龍は飛ぶのだが物凄いスピードである。山や川や街があっと言う間に通り過ぎていくが、背中の俺とシャンには空気の抵抗や重力がまるで感じられない。白龍はスキルのバリヤと隠蔽を使って飛んでいるようだ。

白龍の背中に乗り西の海岸に向けて飛んでいるときにシャンに質問をする。

「シャン、いったいお前今何才だ?、どうやって龍王になり、誰に指名されたんだ。」

「妾か、転生を終えたばかりで今は約1200才じゃ、神龍が余所の星へ巡回の仕事の為、龍王の玉のガーディアンを聖龍に任せたが、年を取りすぎていて、転生の為に妾に龍王の玉のガーディアンの指名が来たのが500年前じゃ、あの頃はまだ幼く無知だったため、色んなやばい奴が妾に戦いを挑んできたものじゃ」

「じゃ、財宝等は俺がもらったら不味いんじゃないのか。」

「構わん構わん、妾がもらったものじゃし、好きに使えと言われていた。最も動けぬ妾が使えないと決め付けていたかも知れんがな。アハハハハ。」

白龍の背に乗り30分程経った頃、遠くにビーチ港街という大きな港街が見えて来た。

かなり発展していて、遠くからでも大きな港街だと分かり、軍船や巨大な商業船、漁船もかなりの数が見える。

この港街の手前でシャンからの召喚魔法の龍王をオネダリされ、人目がつかないところで降り、MAPで人がいないことを確認してから“召喚龍王”“召喚白龍”を一回づつ唱えたのであった。

そのせいで2人は1分程で人に戻ったが2人共気絶してしまった。

シャンは分かるが、何故かハクも力を使い切り気絶したのだった。ハクは人化の魔法を解けばずっと、白龍のままなのに、シャンが白龍も召喚魔法で呼び出されたほうが龍王の玉の恩恵をもらえるから良いと進めた為、ハクも召喚魔法で召喚することになったのだった。

転生から目覚めたばかりだからかも知れないが、気絶の理由は、俺には分からない。

その気絶した2人を肩に担いで2時間ほど掛けてビーチ港街に来た為、ヘトヘトに疲れてしまった。

ビーチ港街に冒険者プレートを見せて門を通ると、魚貝類の匂いがして、腹が“グウ〜グウ〜”と鳴る為、近くの食堂へ入り、適当に3人分の食事を頼むと山のような刺し身や煮魚、焼き魚、魚汁、貝汁等が出てくるとチャッカリ、シャンとハクの2人も目を覚まし、ヨダレを啜っている。

「これが、海の料理か良い匂いじゃな。早く食べようぞ。」

「美味そうですね、お姉様早く食べましょう。」

「何だかなり長生きしている様なのに、魚介類は食べたことがないのか?」

「魚は生でのみ、食べたことがあるが味付された料理は初めてじゃ。」

「じゃ、皆で美味しく頂くか。頂きます。」

すると“ガリガリ、バリバリ”とシャンとハクが貝を殻のまま食べ始めシャンが

「この貝というのは固くて不味いの想像とは違ったの、タクマの嘘つきめ、何が物凄く美味しいだ」

「そういうふうに食べるんじゃないの、貝の身を取り出して食べるの、ハイこうして出してから食べるの」貝から出した身をハクの口へと入れると

「お姉様、この貝という食べ物すごく美味しいですわ。初めて食べるのだけどプリプリでコリコリして凄く気に入りましたわ。」

「ほう、どれどれ、ウォ、これは本当じゃ何故に今まで気が付かなかったんじゃ、ハク、このエビという物も中々の美味しさじゃプリプリして美味いが頭と殻が邪魔だな」そう言って殻をむかずに、頭から食べているので

「違うよ、ほらこうやって頭を取ってこの殻をむいてから食べるものだ。」やってみせると、

「これ、美味しですわ、好きになりました。」

「ふむ、頭と殻を取ると美味しいのぉ。人は素晴らしいのお、美味しいものをより美味しく料理して更に美味しく仕上げる。勿体ないのう何故食べたことがなかったのかのぉ」

「エビや貝というのは、海の底か、岩の中か砂の中で隠れているからじゃないのか」

「そうか、海の上からじゃと魚しか採れないし、底に居るのは分からないからな。盲点じゃった。」

美味しく食べながら、今日の予定を確認する。

先ずは安宿屋を1ヶ月程予約して、冒険者ギルドで依頼を受けながらLvUPを目指すことにした。

街中を歩き、魚貝類や料理された物を多量にアイテムボックスに入れて行く。

俺のアイテムボックスは時間停止、収納無限の為、目に付く魚貝類や弁当類も沢山買って、屋台の食べ物もドンドンアイテムに収納して行く。

途中高級そうな宿屋を見つけたシャンとハクが

「ここがいい、ここに決めたぞタクマ」と勝手に受け付けへ行き、値段交渉等を始めた。

まぁ、たまには良いかと中に入り、シャンとハクは一部屋を取ろうとしたが、そこはノンビリ寝たいので2部屋を1週間分取ったのだった。

高級宿屋の為、1ヶ月ではなく1週間とした。

「何故、2部屋取るのだ、お金が勿体ないではないか。部屋が別なら子作りが出来ぬでは無いか」

「そうだと思ったから2部屋取るの、寝るときは静かにユックリ寝たいの」

「ぐぬぬぬぬ、•••妾は別に襲ったりはしないぞ。」

「でも、魔導具屋で性欲薬のポーションを買ったんじゃ無かったっけ?」1度シャンが魔導具屋から、コソコソ出て来たので、魔導具屋に今の子供は何を買ったの?と聞いたら、即効性の性欲剤のポーションを買ったとのことで、丸1日効力が続く優れものを買ったと聞いたのだった。

お金は金貨20枚もする高価なものだそうだ。

「うっ、な、な、何のことか分からないのだ。

そうだ、腹が一杯で眠気が襲って来て眠いのだ。今日は早く部屋で寝るのだ。」

惚けるシャンであった。

部屋は3F建ての宿屋の3F12畳程の2部屋、隣同士である。手前を俺の部屋、奥をシャンとハクの部屋とした。

窓から外を見ると港や船が見え景色が素晴らしい。

まだ外は明るいので、

「じゃ、俺は冒険者ギルドで依頼を見て、適当に選んで来るからな、2人は休んでてくれ。」

冒険者ギルドに行くと依頼板に海賊退治、魔物退治とあるが、人は魔素を持たない為、Lv上げには向かないし、依頼条件に冒険者ランクE以上の5人以上のパーティーとある為、受けられそうにないと思っていると、女の子の3人パーティーが

「困ったな、後2人以上居ないと依頼が受けられない。何としても後2人は、早く見つけなければ。」

とその依頼を見ていた自分のそばで、聞えよがしに言ってくる。

「あ〜あ、この依頼は良いお金になるのにな、私達は3人共、冒険者ランクEだから後の2人が冒険者ランクHでも、いいんだけどな。」

と俺の耳元で言う為、「あの自分等は3人パーティーで、自分は冒険者ランクGだけど、後の2人は仮冒険者ランクH何ですがそれでもいいですか?。」

「本当か、ウン?仮H、まぁ良いんじゃないのか、よし、アタシらは“シャングリラ”というパーティーを組んでいる。

アタシがリーダーのサザナミ、15才、槍の前衛だ。(肌はこんがり焼け、紫色の髪、服からはち切れんばかりのオッパイで美人である。)

ウチが弓のマーサ、15才、中衛だ。(肌が赤く日焼けしているみたいだが、これが普通のようだ。水色の髪、ボンキュボンのナイスバディだ、かわいい系で明るくニコニコしている。)

私が魔法使いのフレイ、15才、後衛だ(肌を焼きたくないのか茶色のローブで身体を隠している。髪はオレンジ色、幼さが残る顔だ。)まだ冒険者パーティーを組んで3年だ、これでも期待されているんだぜ」

「俺等はまだ組んだばかりでパーティー名はまだ付けてない。今日この港街に来たばかりで他の2人は、疲れたようで宿で休んでいる。

俺は、兵士の訓練を少し積んで冒険者をやっている。冒険者ランクはGで、剣を使う前衛だ。

あとの2人は仮Hの冒険者だが、シャンというのは、俺よりも強い。ハクというのは、魔法を使う。まだ強さが分からないが強いと思う。」

「分かった、明日にでも紹介してくれ、明日ギルドの受付で仮のパーティーの登録をしてから出発しよう。小型だが、船を調達してある。10人乗りだからある程度は余裕もある。

明日夜明けと同時に出発するから朝飯も済ませてから夜明け前に冒険者ギルドに来てくれ。

それと報酬は全員で折半と決めているから安心してくれ。」

3人と握手をして、冒険者ギルドを出ると日が沈む所であった。

宿屋に戻ると、俺の部屋に2人が寝ているので、仕方無しにもう1つの部屋に入って鍵を掛けて寝たのである。

寝ていると暑苦しい、毛布を取るとシャンとハクがベットに入って来ていて、しかも裸で寝ている。

おかしいな、鍵を掛けたはずとドアノブを確認すると鍵は掛かったままだ。

??どういう事だと思っていると

「何だタクマ早く寝ようぞ。」

「俺を襲わないと決めたはずだが」

「何を言う、一切手を出してはおらんぞ。タクマの方から襲って来る分にはルールは守られているからな。フフフフフ」

「ドアの鍵が掛かっていたはずだが、何処から入ったんだ?」

「窓が開いていたから、そこからに決まっておろうが」

「分かった、明日は夜明け前に冒険者ギルドに“シャングリラ”と言う3人のパーティーと組んで海賊退治、魔物退治に行くからよく休んでおくように。

朝飯はそれ以前に済まさなくてはいけないから、夜明け前迄に準備は済ませておけよ。」

「ウム、分かったでは早く一緒に寝ようぞ。」

「俺は隣で寝る。入って来るなよ。」

そう言って、隣の部屋へ行き、ドアと窓の鍵をきっちり閉めて寝たのである。

夜中に“ドオオン”と言う音で目を覚ますと、入り口にハクとシャンが立っていて、ドアが半分に割れている。ハクが少し龍化している。

人に見られたら不味いので人化の術を掛けるように言う。

しかし、夜中に大きな音を出して、ドアを壊した為に宿の人や宿泊客からクレームと抗議が起こり、宿を追い出されてしまった。

2部屋の1週間分の前払いしてた宿代はドアの修理代と弁償代で取られてしまった。

仕方無しに近くの安宿を2部屋借り、次同じ事をしたら眷属を解消して、二度とお前達とは合えない、他所の国へ行くからと、キツく叱っておいたら夜這いめいたことは無くなったのだった。

夜明け前に起きて、安宿でサンドイッチの朝ご飯を食べ、まだ暗いうちに冒険者ギルドへ向かう。

「腹が減ったのぅ。あれだけの朝ご飯では足りん、何か屋台ででも買い食いしながら行こうぞ。」

カチンと来て「フザケンナ、あの騒動が無かったら今頃美味しい料理を腹一杯食べれてたわ!、ムシロのような布団ではなくフワフワ布団で寝れたのに!、誰のせいだ」

「悪かったって、短気じゃのう、そう怒るでない、こういうのも旅の醍醐味というやつだろう。」

本気で反省して無いみたいなので、無視する。

冒険者ギルド前に着くとシャングリラの3人が集まっていたので

「ごめん、待たせたかな」

「いや、ウチラも今来たところだ」

「俺達のパーティーを紹介する。体術と剣を使うシャンだ、あと魔法が使えるハクだ。」

「妾がシャンだ。苦しゅうない良きに計らえ。」

「シャン、先輩の冒険者にそんな態度を取るんじゃない。」

「何故じゃ…妾の方が先輩で年上だぞ。」

「そうよ、お姉様の方が長生きしてるし、強いのよ何故媚びを売る必要があるの」

そうだった、お子ちゃまの様な体型だからつい、言ってしまった。

小声で言う。(依頼をスムーズに持っていく為だから、頼むよ、もし相手を立ててくれたら、晩飯は豪華にするからさ)

(それだけじゃ、駄目だプライドが許さん、では宿屋の部屋を1つにしてベットも1つで寝るというのはどうだ、それで手を打とう)

(くっ、分かったそれでいい)

「構わんよ、冒険者たるもの、そういうものだ。年上とはジョークも上手いな、アハハハハ。」

旨く勘違いをしてくれたようなので、シャンとハクに耳打をして、龍とバレないように、年下として彼女らを持ち上げてくれと頼むのであった。

渋々分かってくれたようだ。

「しかし、海賊退治と魔物退治をこの人数で出来るものなのか?、たったの6人しか居ないぞ。」

「6人の訳がないだろ、約50人は海賊退治の依頼を受けているはずだ。

他の奴等は海軍船か、商業船、漁業船に乗っているはずだ」

「そちらの船の方が安全•確実に海賊討伐が出来るんじゃないのか?」

「3年前にも、海賊討伐、魔物退治の依頼があって、海軍5船、商業船10船が出港し、その時騎士150人と兵士150人、冒険者90人程が参加したんだが、海賊や魔物が戦上手でほとんどの船から火が燃え盛り、人はパニックになり、逃げる為に船同士がぶつかったりして、ほとんどの船が壊れたり焼けたりして、だいぶ死人が出たんだ。

しかし、この船は小さいから小回りが利くし、足が速いから離脱も容易だ。

今度も海賊には、情報が筒抜けのようなんだ。

海軍も冒険者ギルドも今度の乗船者は厳しくチェックしているが、油断は出来ないということだ。

それに、火の手は船内からではなく船の側面からあがったと言う人と海の魔物が火を放ったと言っている人も居るんだ。」

「海の魔物なら1番の弱点が火のはずだろう?火の魔法を使えるはずがないと思うんだが」

「ああ、だから皆の考えでは船内に海賊が紛れ込んでいたのだろうと結論された。」

「分かった、犯人は捕まってないのか?」

「犯人は焼死したと言われている。」

小型船に乗り、帆を拡げると風のおかげか、結構な勢いで、船は走り出す。

「海賊や魔物の居場所は分かるのか?」

「海賊と魔物の基地と巣があると言われている島、海賊島があり、そこに攻撃を仕掛けるそうだ。」

しばらく走り、その海賊島が遠くに見えてきたときに、先に出ていた海軍船と商業船、漁業船が見えて来た。

すると主に海軍船からの魔法が海賊島の港に泊まる海賊船に向けて放たれてる。

海賊も応戦して魔法を放つが動けない海賊船は格好の標的で、ドンドン沈んでいき、それに合わせて

商業船と漁業船からも魔法が放たれ、海賊島の港に停泊中の海賊船が5船燃えており、港を駆け回り、逃げる海賊達が見える。

海賊船は壊滅のようなので海賊島に皆で上陸して、生きている海賊の討伐を始める。

降伏するものは拘束して、刃向かうものは徹底的に叩くのだった。

海賊島には、かなりの財宝が溜め込まれており、全員で分けることになった。ただ、冒険者ランクを考慮して分けるとのことだ。

なので、ランクが低い俺等は、二束三文にしかならないようだ。

魔物との争いもなく、皆笑顔で船に乗り帰路につくが半ばまで来たときに何気なく、海賊は居たが魔物が居なかったなと、MAPを広げて周囲を観察していたときだった。

周囲に無数の魔物の気配がある。

空も海上も何も見えない、可笑しいなと思った時、気付いた!海の中だ!そう思ったとき海軍船と商業船が何やら慌ただしい。

索敵を持つ人が海軍船と商業船に居たようで、船の上から海中に向けて弓矢や投槍や魔法を放っている。その内に海軍船と商業船から火の手が上がり始めた。

急いで自分らも海軍船と商業船に合流し、放水をして、船の消化に当たるが焼け石に水で、海中から魔物が杖型と、指輪型の火の魔導具を使い火魔法を放っている。

水性の魔物は総じて火に弱く、苦手なのに相当統率力の強い魔物が親玉にいるに違いない。

ハクに

「魔法で何とかならないか?」

「その手の魔法は持ってませんが、人化の術を解いて白龍になれば雷が打てますが、どうします人に見られたら、白龍だとバレますが。」

「それは不味い、仕方ない龍王の力をONにするしかないな。」白龍の変身を見られたら不味いので、自分がやることにした。

シャングリラの人達に「これから見ること聞くことを絶対に人に話さないでほしい。」とお願いし、

船の後方へ行き、龍王の力をONにして、龍王のスキルインパクト(衝撃波)を海中に放つと、

“ドドドドドオオオオーーーン”と物凄い音と水柱が100m程上がって、海中にいた魚人の魔物が数万匹も海面に浮き上がってきたのだった。

その水しぶきが全部の船に掛かり、船の火災も収まってきた。

やった、勝ったと思っていたら、海がコン盛り盛り上がり500m程の海坊主の魔物とオクトパスというタコの魔物200mと水竜200mが出てきた。

海坊主は人型の上半身、下半身はウミヘビで緑色の肌、手の指には水かき、頭と背中には背ビレがあり、全身1面ウロコで覆われて手には3つ又の鉾を持っている。

タコは8本足の魔物。

水竜はブレスを吐けない竜モドキといわれる、クロコダイルのようなワニに似た魔物。

海坊主が命令する。大型船の海軍船や商業船を無視して、俺等が乗っている小船に鉾を向け、

「小癪な人間め、海の魔王のワシと部下に何してくれてんねん。我らの餌の分際でナメたことをしてくれたな、お前等やってしまえ。」

小船に乗っているシャングリラのパーティー3人は、口から泡を吹き気絶するのだった。

シャンとハクが

「「ここは、私達の出番ね。召喚を頼む」」

と言ってきた。軍船や商業船に乗っている人に見られたら不味いが仕方ない。日が沈み少し薄暗くなって少し離れているため、見えていないことを願うのだった。

「召喚龍王、召喚白龍。」

シャンが大きくなって500mの龍王になると、ハクも大きくなって10mの白龍になる。

「シャン、ハク1分しか持たないからすぐに決めて船に戻れ。」

「分かっておる」「分かってますわ」

すると、龍王は水竜モドキのワニを龍魔法の激雷で倒す“ドガガガガドオン”一撃で倒し、白龍は、タコのオクトパスに龍魔法の焔激斬で焔の刃を飛ばし”ゴオオオオー”と炎の刃が飛んでいき、真っ二つにしたのであった。

そこで嬉しそうに2人して「やったのじゃ、龍魔法の激雷をゲットじゃ」

「やりましたわ。お姉様、龍魔法の焔激斬がスキルに、書かれてますわ。」と喜んでいる。龍王の玉にある、龍魔法を修得するために俺に召喚をお願いしたのが分かったのだった。

「シャン、ハクその魔物が海の中へ沈んで消える前にアイテムボックスに入れるから持って来てくれ。」

「分かったのだ。」

「分かりましたですわ。」

タコの魔物と水竜モドキのワニを俺のところに持ってきたのでアイテムボックスに収納すると、そうこうしているうちに、1分が経ち2人して身体が縮んで行き、船に戻るとバッタリ倒れてしまい、

「後は頼んだぞ、タクマ」と言って気絶してしまった。

後に残った海坊主はワナワナ震えて怒っている。

「我が腹心の部下を倒すとは、許せぬ。我が皆殺しにしてやる。」そう言って3つ又の鉾を両手で持ち小船に振り下ろして来る。

まだ龍王力をOFFにしてないので瞬歩と、龍王のスキルの空中遊泳で宙に浮き、3つ又の鉾の下で振り下ろしている鉾を剣で切り裂く。

これに驚いている海坊主は

「なんじゃ、その気は神龍?、いや龍王?あり得ない龍王は龍王の玉のガーディアンだから動けないはずじゃ。新たな龍族の誕生か?」

そう言って動かないので龍王のスキルのブレスを使おうとしたが、止める。

人になって使えないのを修得しても意味が無いから龍王の玉のスキルの超音波息波砲を海坊主に向けて放つと、“シュワアアアアーン”空気が震え、“ドォオオーン“というドデカイ音と共に海坊主の上半身が消滅してしまったのだった。

「嘘、ホントかよ俺、自称海の魔王というやつを倒しちゃった。まぁ、良いか。」

倒したとホットしたときだった、行き成り周囲が寒くなり、殺気と威圧と威嚇で肌が“ビリビリ”する。

船の上の“シャングリラ”の3人が、目覚めた途端にガタガタ震え「“アワワワワワワッ”リバイアサン様、水龍様」と言っているので

「どうしたんですか。」と聞くとガタガタ震える手で、俺の上を指差して来て、そのまま3人共又気絶してしまった。

上を見ると物凄くバカでかい龍の頭がある。

目だけで俺達が乗っている小船と同じ位だ。

歯をむき出して、物凄い怒りを俺に向け、物凄い殺気で威圧しながら言ってくる。

念の為龍王のスキルの身体能力上昇、身体強化、身体硬化を自分に使っておく。

「お主、先程眠っている時に、龍王の玉のスキルの力のインパクトの衝撃波を感じた。お前が打ったのか。

何事かと見ると龍王と白龍が見えたから急いで来てみれば、龍王と白龍が消えていて龍王の力を持つお主が居る。

バハムートこと、龍王姉さんと妹分の白龍をどうしたのじゃ、答えによってはお主と刺し違えても許さんぞ。」

どうやら、シャンとハクの知り合いらしい、仲間の知り合いと戦いたくないから、両手を上げて降参のポーズを取り、

「その2人なら、ここに居ます」と小船で倒れている2人を指差すと、2人をじっと見た水龍が萎んでいき見る見る人に変わって行く、シャンと同じ位の10才程になり、小船に乗ってくる。

水色のパーマを掛けたようなフワッとした髪、水色のヒラヒラの服、全身鱗まみれの白い肌、首元にはエラがあり、頭と背中にヒレがあり手の平には水掻きも見え、シャンとハク程の大きさに年も同じ程だ

「力を使い過ぎて、気絶しているだけです。3時間もすれば目覚めます。」そう言うと

殺気等を納め、質問して来る。

「ウム、外傷はなく、本当に気絶しているだけのようじゃな。何故にお主が龍王の力を持っていて、何故に龍王と白龍がお主と一緒なのだ?」

簡単に説明をする。

「龍王がお遊びで俺を龍王城に、転移してその時に間違って龍王の玉が自分に入り、ガーディアンの龍王が俺に付いて回ってます。白龍は龍王を慕って付いてきてます。」

「ふう〜、姉さんもドジを踏んだものじゃな」

「ここで、立ち話をするよりは、出来れば、ビーチ港街まで送ってもらえると助かるんだが、それと出来れば倒した魔王の海坊主と部下の魔物の魚人の討伐証明部位の右耳と魔石も回収をお願いしたい。」

「良かろう、では報酬として魚人が使っていた火の魔導具をこちらでもらう良いな。」

「はい、それで良いです。」

それまで、生半可な人化の術が、敵ではないと判断したのかエラやヒレ、全身の鱗、水掻き等が消え完全な人に化けている。

人になると凛とした顔立ち、お子ちゃまなペチャパイのスレンダーな美女である。

「契約成立だ、お前達海坊主の残骸をここに運べ。その後は、魔物の魚人の右耳を切り取り魔石も回収しろ。

火の魔導具は、我等がもらうからそれも回収しておけ。その後、全部の船をビーチ港街まで引っ張って行きなさい。」海上にそう言うと

海から何万もの美しい人魚が出て来て、作業を開始し、海坊主を小船まで持ってきて俺に渡すので、アイテムボックスに仕舞い、人魚は魔物の処理を行う。

その後、船を引っ張って港街まで引っ張って行く。兵士だろうか?戦う為のフル装備の人魚もかなり居る。

港街へ行く間に龍王の力をOFFにして、今のステータスを確認する。

村上 タクマ(男) 独身 13才 人族 称号=龍王の玉と結合した異世界勇者 状態=正常(龍王の力、現在OFF) 職業=冒険者ランクG 加護=リュウグウ光神 Lv=35 

Hp=409(7500300)/409(7500300) 

精神p=1875(9000296)/1875(9000296)

Mp=650(5500300)/650(5500300)

力=353(960310) 魔力=339(450300) 精神波=11290(1800300) 精神力=1725(1200300) 敏捷=329(180300) 知力=348(210300) 防御力=342(990300) 運=215(MAX)

スキル=剣術LV3 盾術LV2 槍術LV1

弓術LV2 投錨術LV1 体術LV1 剣技1貫通突き 言語理解 アイテムボックス(無限、時間停止) 異常耐性 瞬歩 龍の威嚇威圧 龍斬激切 インパクト(衝撃波) 空中遊泳 超音波息波砲 身体能力上昇 身体強化 身体硬化 (龍王の力OFF)

固有スキル=MAP (龍王の力OFF)、眷属(シャン、ハク)

エクストラスキル=生活魔法Lv5、召喚魔法Lv2(龍王、白龍)、★?、★? (龍王の力OFF)

魔王を倒したからかLvが10上昇し、龍王の力をONにして使った龍王のスキル、インパクト(衝撃波)、空中遊泳、超音波息波砲、身体能力上昇、身体強化、身体硬化が俺のスキルに入っていて、召喚魔法がLv2に上がっていて1分から10分に伸びていた。

これを見られたら不味いので鑑定•ステータスフェイクの指輪で以下のようにした。

村上 タクマ(男) 13才 状態=正常 職業=冒険者ランクG Lv=35 Hp=409/409 Mp=650/650 力=353 魔力=339 敏捷=329 知力=348 防御力=342 運=215

スキル=剣術LV3 盾術LV2 槍術LV1

弓術LV2 投錨術LV1 体術LV1 剣技1貫通突き 瞬歩 龍斬激切 インパクト(衝撃波) 空中遊泳 超音波息波砲 身体能力上昇 身体強化 身体硬化 言語理解 生活魔法Lv5

としたが、何気に龍王のスキルの力は破壊力が半端なかった。

これでは、普通の魔物には使えないなと思っていたら生活魔法LV5になっている。

そう言えば前にシャンが魔王と戦うために大賢者が作ったと言っていたのを思い出し、生活魔法を戦いに使えるようにしたいと思う。

今の生活魔法Lv1は

★水分補給(ランク2)=喉が乾いたときにバケツ10杯程度の水を出す(水魔法)•••必要Mp=2

★乾燥(ランク2)=熱風で濡れた布等を乾かす(火魔法、風魔法)•••必要Mp=2

★ライト(ランク3)=暗いところを照らす。サーチライト程度(光魔法)•••必要Mp=2、約1時間

★ウインド•マジックウエポン(ランク3)=風刃、突風を放つ(風魔法)•••必要Mp=2

★スイング•マジックウエポン(ランク4)=硬い物の内部破壊、剣を持ち使うとバイブレーションソードとして使用(土魔法)•••必要Mp=2

★プレス•マジックウェポン(ランク3)=重力3を相手に放ち、地べたに這いつくばらせるか、相手の動きを遅くする(重力魔法)•••必要Mp=2、50Kg

★強化(ランク7)=身体を鉄並みに硬くし、身体能力を大幅に上げる(身体強化魔法)•••必要Mp=2

★鑑定(ランク3)=相手、自分、物の鑑定をする(無属性魔法)•••必要Mp=2

★ボイス•マジックウエポン(ランク7)=相手に威圧•威嚇が出来、声の超音波を使い相手を倒す(無属性魔法)•••必要Mp=2

何気にランクが軒並み上がっており、強化に至っては、龍魔法の影響かシンクロか行き成りランク7まで、一気に上がっている。

更に今まで攻撃には使えなかったのが攻撃型に変わっている。

しかも、必要Mpが軒並み取得したときと同じMp=2でそのまま使えることだった。これは助かるというものである。

名前まで変わっているのもある。振動がスイング•マジックウエポン。送風がウインド•マジックウエポンに声拡声がボイス•マジックウエポンになっている。明らかに龍魔法の影響を受けている。

生活魔法Lv2で覚えたものは

★洗浄(ランク3)=身体、服の汚れを落とし、不浄なものを浄化(聖神魔法)•••必要Mp=4

★ファイア•マジックウエポン(ランク4)=ファイアアロー、ファイアーボール、豪炎を放てる(火魔法)•••必要Mp=4、

★ソフトヤワイ(ランク3)=家庭菜園で土を柔らかくする、岩石を柔らかくする。(土魔法)=必要Mp=4

★ハードカタイ(ランク3)=ドロドロ道を硬くする、スライム等の軟体魔物を硬くする。自分に使えば身体を硬くする。(土魔法、)=必要Mp=4

★ヒール(ランク3)=ハイヒールで傷を治す(白魔法)•••必要Mp=4

★殺菌•マジックウエポン(ランク4)=傷口の細菌を殺し化膿止め。暗黒系の魔物によく効く(聖神魔法)•••必要Mp=4

★調理(ランク3)=覚えた調理を魔法で固定させ再現(無属性魔法)•••必要Mp=4

★解体(ランク3)=食材の肉、魚の解体骨の取り方三枚下ろし等1度自分でした後魔法で固定再現(無属性魔法)•••必要Mp=4

★スロー(ランク3)=敵の動きを遅くして撃退(時空魔法)•••必要Mp=4

何気に生活魔法のLv1•2のランクが上がり、龍王の力に関するものも大幅に上がっている。

着火だったものが、ファイアウエポンに名前が変わり、幾つかの火魔法が使えるようだ。

生活魔法Lv3で覚えたものは

★索敵(ランク3)=敵意を持つものを見つける(無属性魔法、風魔法)•••必要Mp=6 距離200m

★キュア(ランク3)=激毒消し(白魔法)•••必要Mp=6

★スリープ(ランク3)=起きて居る者を強制的に、眠らせる(白魔法、精神魔法)•••必要Mp=6

★ボム•マジックウェポン(ランク7)=爆弾により敵を葬る(風魔法、時空魔法)•••必要Mp=6

★ロープ(ランク2)=物を縛る時使用(無属性魔法、緑魔法、光魔法)=必要Mp=6

★ミラー(ランク5)=魔法攻撃を相手に跳ね返す(無所属魔法、光魔法、結界魔法、水魔法)•••必要Mp=6

☆ミラー反転=相手に鏡を向けて魔法攻撃を跳ね返す。大きさ5.7m

★再生(ランク2)=切れた物、枯れた木、壊れた物を復活(聖神魔法)•••必要Mp=6

★植物成長(ランク2)=花壇や畑の植物の成長を早める(緑魔法)•••必要Mp=6

★カーサ(ランク5)=敵の物理攻撃を防ぐ(無属性魔法、結界魔法、聖神魔法)•••必要Mp=6

☆カーサ全防御=全身に結界を貼り物理防御、5m

の完全防御壁で守る

サマンサさんが教えてくれたミラー反転とカーサ全防御も強さが変わっていた。

爆竹がボム•マジックウェポンに名前が変わっており、ランクも7まで一気に上がっており、じっと見ていると細かくボムの種類と性能が出てきた。

☆ボム=相手に直接触り爆発。威力ダイナマイト程度。

☆タイマーボム=タイマーを設置し、時間が来たら爆発。

☆接触ボム=通り道に設置。触れると爆発。

☆透過ボム=硬い物の奥まで通り過ぎ内部で爆発。

☆合体ボム=あらゆる魔法と合体させ威力アップし爆発。魔法のLv✕倍になる為、倍化以上に爆発。

☆飛翔ボム=遠くの相手まで飛ばして爆発。

☆追尾ボム=敵に標的を付けると百発百中で当る。

☆地雷ボム=土や地面に埋め踏むと爆発。

☆インパクトボム=爆発の衝撃波を飛ばして広範囲攻撃。これに他の魔法を付けると威力倍増。

これらが全部必要Mp=6で使えるようだ。

うわ〜完全なチート能力、戦争兵器になっている。

今回、生活魔法Lv4で覚えたものは

★魔力制御(ランク2)=魔力を大きくしたり小さくできる。ランクの強さも自在に変えることが可能。(無所属魔法、精神魔法、古代魔法、聖神魔法)•••必要Mp=8

★魔法制御(ランク2)=魔法を曲げたり留めたり自在に動かすことが可能(無所属魔法、重力魔法、創世魔法、精神魔法、光魔法)•••必要Mp=8

★収納(ランク9)=異空間に部屋を作り無限、時間停止で収納(風魔法、結界魔法、時空魔法)•••必要Mp8

★ステータス制御(ランク2)=ステータスのLvや強さを設定することが可能。ただしステータスを超える事は出来無い(無所属魔法、精神魔法、古代魔法、聖神魔法)•••必要Mp8  現在2つに設定することが可能

★ステータスフェイク(ランク4)=ステータスをバレないように嘘を書くことが可能。フェイクなので普通に使える(無所属魔法、風魔法、精神魔法、古代魔法、聖神魔法)•••必要Mp8

★身体能力上昇(ランク7)=身体能力を上げる(無所属魔法、精神魔法、古代魔法、創世魔法、聖神魔法)•••必要Mp8

★身体強化(ランク7)=身体を強化する。パーツごとに強化可能(無所属魔法、重力魔法、古代魔法、聖神魔法)•••必要Mp8

★身体硬化(ランク7)=鉱石ミスリルのように身体を硬くする(土魔法、白魔法、光魔法、創生魔法、古代魔法)•••必要Mp8

★自白(ランク2)=悪者の相手に自白をさせる(白魔法、光魔法、精神魔法、聖神魔法)•••必要Mp8

生活魔法Lv4に上がったばかりで使ってないのにランクが高いのが多い。

収納は、俺自身がアイテムボックスを持っているせいかランクが9である。俺のアイテムボックスは魔法を使わずに収納できる為、使う事は無さそうだ。

ステータスフェイクも魔導具を持って使っているせいか高いし、身体能力上昇や身体強化や身体硬化等は龍魔法の影響を受けているようだ。

生活魔法Lv5で覚えたものは

★電気マッサージ(ランク1)=疲れている場所に電気を流してマッサージ(雷魔法)•••必要Mp10

★変身(ランク1)=見た人に変身することが出来る(無所属魔法、黒魔法、創世魔法、変身魔法、古代魔法)•••必要Mp=10

★監禁(ランク1)=イタズラ子供を罰として囲いの中で反省させる(結界魔法、時空魔法、聖神魔法)•••必要Mp=10

★チェンジ(ランク1)=アイテムボックスにセットしておいた服や装備を一瞬でチェンジする(変身魔法、結界魔法、時空魔法)•••必要Mp=10

★Mpドレイン(ランク1)=敵からMpを吸い取る(無所属魔法、精神魔法、重力魔法、黒魔法、闇魔法)•••必要Mp=10

★HPドレイン(ランク1)=敵からHpを吸い取る(無所属魔法、精神魔法、重力魔法、黒魔法、闇魔法)•••必要Mp=10

★スタミナ回復Up(ランク9)=疲れている身体のスタミナ回復力上昇(白魔法、精神魔法、光魔法、聖神魔法)•••必要Mp=10

★サトリ(ランク0)=危険な時予知少し先の未来が見える(自己能力増大)•••必要Mp無しで自然サトリ

★着色(ランク1)=髪の色や部屋の壁の色を変え模様替え(無所属魔法、変身魔法、暗黒魔法、創生魔法)•••必要Mp10

となっていた。

スタミナ回復Upは、龍王の力のせいとしか考えられない。行き成りランク9である。

サトリが魔法じゃ無いのに何故だが入っている。

面白そうな魔法ばかりである。今後どのように変化するのか楽しみである。

総じて龍王の力を当てにしなくても、生活魔法を育てていけば、この異世界で生きていける気がした。

今更ながら、自分の力が物凄くチート能力だと感じたのである。

次にまだ寝ているシャンとハクのステータスをフェイクする。

ハクは次のようにした。

ハク(女) 7才 人族 状態=正常  職業=仮冒険者ランクH Lv10 Hp=150/150 Mp=190/190    

力=112 魔力=137 敏捷=57 知力=75 防御力=37 運=29

スキル=体術Lv1 噛み付き 白魔法 光魔法 水魔法 風魔法 炎魔法

とステータスフェイクし、龍関係の力は見えないように隠したのである。

ハクは龍の力を持ちステータス✕10が本当に持つ力なのである。

シャンも次のようにした。

シャン(女) 9才 人族 状態=正常  職業=仮冒険者ランクH Lv18 Hp=270/270 Mp=210/210    

力=249 魔力=137 敏捷=145 知力=135 防御力=92  運=76

スキル=体術Lv3 剣術Lv2  火魔法 雷魔法索敵 威圧

はっきり言って仮冒険者レベルにしては、ステータスが高過ぎるがまぁ、良いかとそのままにした。

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