第8話シャンと冒険者パーティーを組み冒険に出る
シャンを信用出来ると判断し、冒険者ギルドへ行き、受付のメルルさんの所へ行き、シャンとの冒険者パーティー申請をした。
今日のメルルさんは胸を強調しているかのような、胸が見えそうな服で、ボタンが弾けそうな危険な服で、男は皆目線は先ず胸に行く服だ。
「メルルさん、常設依頼の薬草採取で旬なヤツとかはありますか?後ゴブリン退治もやろうと思ってるんですが何の辺に居ます。」
「そうね、城の各門から出てすぐには薬草や毒消し草、眠り草、火傷草とか取れるわね。
薬草採取は根っ子を残すのが礼儀よ。
また生えてきやすいようにね。
薬草なら25Cm10束で1銀貨、毒消し草は20Cm10束で1銀貨、眠り草は20Cm30束1銀貨、火傷草25Cm10束1銀貨になるわね。
今からだと虫除け草とか殺虫草とかが魔の森に生えてきてます。虫除け草は30Cm5束1銀貨、殺虫草は30Cm5束1銀貨になります。
ゴブリンは魔の森には何処にでも居ます。ゴブリンもパーティーを組んだりするので気を付けてください。」
俺の目線がチラチラとメルルさんの胸に行くのをシャンは見ていたらしく、
「くっそ〜、ああいう胸が好みか、メルルとやら胸が大きくなる薬草とかはないのか」
「そういうのは聞いたことがありませんが、男を虜にするフェロモン草と魅惑草というのがありまして、未だ時期は早いです」
「そういう情報が欲しいんじゃ」
「シャン、そういうのは無しとルールで決めているぞ。採取には行かないからな。」
「ぐぬぬぬ、分かっとるワイ、クソッ!、しかしお前の最初の相手は妾が一番最初じゃからな!」
「何勝手なことを言ってるんだ。」
「お主が女を抱いたりして、龍王の玉がそのオナゴに移るかもしれんから、妾は断固、お主の妾以外の女と寝るのを阻止するからな!!」
「•••分かったよ、早く胸も大きくなって俺を誘惑してみてくれ。」
「魔の森へ行くなら最近はグリーンウルフ、討伐ランクFがよく目撃されているので、新人さんは気を付けてください。あと入口横の情報板には、目を通すことをお勧めします。」
ありがとうと礼を言って情報板の所へ行き見ると、色々書かれている。
★攻撃魔法を使える奴を募集する。(火魔法Lv3)
★腕に自信のあるやつ、前衛で募集する。
★隣の街の方で盗賊団が暴れている為、こちらに来るかも気を付けろ。(国、領主より)
★魔の森東の奥地で、地竜に似たティラノというドラゴンモドキの30mが目撃されている注意。
★龍王の気配が消えた。情報を持ってきたら金貨10枚以上やる。(国より)
★龍王が死んだと言われている調査依頼を近く出す参加希望者全員に金貨2枚出す。(冒険者ギルド)
★北門から魔の森へ徒歩30分の所に新たにダンジョンが発生。国の調査終了後入れる冒険者ランクを発表します。
★東門から出た徒歩30分の鉱山に魔物が発生至急討伐依頼が出す予定。(パーティー5名、冒険者ランクF以上、冒険者ギルド)
シャンが龍王の死亡情報を見てワナワナ震えている「我が死んだだと、クソ虫共め非ぬ噂を流しやがって、龍王の玉の力を取り戻したら眼に物を見せてやろう。ふふふふふ。」
やはりシャンは変わらないかなと思ってしまう。
近くの東門へ向かう。向かいながらエクストラスキルの生活魔法のLvが3に上がり増えた魔法を見てみる。
★索敵(ランク1)=ネズミやゴキブリ等を探す(無属性魔法、風魔法)•••必要Mp6 距離10m
★キュア(ランク1)=毒消し(白魔法)•••必要Mp6
★スリープ(ランク1)=夜眠りやすくする(精神魔法)•••必要Mp6
★爆竹(ランク1)=お祝い時や害鳥等を追い払う爆発音(風魔法、時空魔法)•••必要Mp6
★ロープ(ランク1)=物を縛る時使用(無属性魔法、緑魔法、光魔法)=必要Mp6
★ミラー(ランク1)=身だしなみに使用(無所属魔法、光魔法、結界魔法、水魔法)•••必要Mp6
☆ミラー反転=相手に鏡を向けて魔法攻撃を跳ね返す。大きさ1.7m
★再生(ランク1)=切れた物、枯れた木、壊れた物を治す(聖神魔法)•••必要Mp6
★植物成長(ランク1)=花壇や畑の植物の成長を早める(緑魔法)•••必要Mp6
★カーサ(ランク1)=雨の日に頭上に出して雨よけ(無属性魔法、結界魔法、聖神魔法)•••必要Mp6
☆カーサ全防御=全身に結界を貼り物理防御
サマンサさんが教えてくれたミラー反転とカーサ全防御も入っていた。
ここで気になることがある。エクストラスキルの生活魔法はサマンサさんから習ったときにはONではなくOFFだったはずなのに何故使えたのか気になりシャンに聞くと
「妾には分からぬが、タクマの溢れ出る精神Pや精神波、精神力が原因ではなかろうか?」
もしかすると、使い方によっては生活魔法は化けるかも知れない。
何故ならシャンに使っていたマッサージの振動が(ランク3)になり、体内破壊と説明書きが変わっていたからだ。勿論シャンにはランクを落として使っていた。
魔王等を倒すために大賢者が作ったのなら、ランクを上げるために積極的に使うべきだとの判断になった。
魔の森へ入る前に武器屋、防具屋に行き装備を整える。俺は兵士用の装備をしており、ヘッドガード、胸当て、小盾、鉄剣、弓矢1式を装備しているがシャンがほとんど無防備だ。前の持ち物はチート武器の為回収し俺のアイテムボックスに仕舞ってある。
「シャン、お前の武器と防具を買いに行くぞ。」
「いらんぞ、そんな物、我はこのままがいい。」
「駄目だ、もしもの事を考えて行動しろ、命を大事にだ。今のお前は龍王ではなく、人なんだからな、怪我もすれば病気にもなる命も落とす武器と防具を装備するんだ。」
「分かったのだ。我に見合う超高級品を買ってくれ」
「アホか、冒険者低ランクのお前ではまだ100年早い」
「ぐぬぬぬ、分かったお主に任せるのだ」
シャンのスキルには、体術と剣術を持っているので接近戦が好みのようだから、軽装を考えて揃える。
シャンには胸当て、防具の手甲にナイフが出し入れ可能な武器にもなる物とショートソードを買い、俺も解体用のナイフも買った。
昼飯用のサンドイッチを買ってアイテムボックスに入れておく。
準備は整ったので門から出て魔の森へ向かう。
門の前には薬草採取の人が多い、家族連れであったり、スラムの子供であったり、身体を魔物に襲われて損傷している者も生きるために薬草採取している。
門と魔の森の境目が300mはあるのだが、半分の150m以上先には薬草採取している者はいない。
魔の森から魔物が襲う機会を何時も見ているのだそうだ。
気を抜いている者を襲うために、人もそれを学習し150m先には近付かないのだという。
そんな中スラムの子供たちの間を抜けて魔の森へ歩いていると、草むらからイキナリ角ウサギ(討伐ランクG、70Cm〜1m)が5m先からジュンプをして、スラムの子達を頭の角で刺そうと襲ってきた。
咄嗟に反応したのはシャンでスラムの子達の前に立ち、横に半歩避けて剣で角ウサギの腹を刺して、倒したのであった。
スラムの子供から「ありがとう、お姉ちゃん」と言われ照れてるシャンだった。言われ慣れていないのだろう。
角ウサギの討伐部位証明の角を取っていると、スラムの子供が「美味しそうなウサギだね」と話をしているのを聞いたシャンが
「ホレ、これが欲しければやる」と角ウサギをあげてしまった。
「お姉ちゃん、ありがとう病気の母さんも今日は腹一杯ご飯が食べれるよ本当にありがとう。」
角ウサギは皮も肉も売れるのだが、シャンは真っ赤な顔をしていたので、まぁ良いかと黙っていた。
魔物に先制攻撃を与えないためにMAPを常時広げて300m周囲を警戒しつつ、生活魔法の索敵を使って魔物をいち早く見つけようと常時使うのだった。
そのお陰でMAPの使い方も分かった。
MAPに欲しい薬草を思い浮かぶとMAPに表示されるのであった。それと同時に動き回る人や魔物もMAP上を動き回っている。
その動くものにタッチすると魔物の名前までもが分かってしまうのである。
ただ厄介なのは、小さな虫にも反応した為大きさ制限で対処している。
殺虫草、虫除け草が金になるのでメインに探すことにする。MAPに思い浮かぶだけでその2つが表示されるのである。
殺虫草の群生地をMAPで見つけ、魔の森の奥へ急いで向かう。
簡単に採取していると熱中しすぎたのか、何時の間にかグリーンウルフと言う魔物10匹に囲まれていた。距離は20m,
「シャン、グリーンウルフだ、背中は任せたぞ」
「おおっ、任せとけ、コイツラは弱いから群れを成す。5、6匹も倒せば残りは逃げていくはずじゃ」
”グウルルルル〜“”ガッルルル〜“威嚇をしながら2匹が前後から襲って来る。
俺の前の奴に弓矢を放つと”ギャン〜“とヒト鳴きしてヨロヨロと逃げて行く。追い打ちを掛けるように逃げるグリーンウルフに弓矢を放ち倒す。
シャンは剣を使わずに手甲のカラクリナイフを出して格闘技のように殴り付けながら切り裂いて、倒したのだった。
それを合図に一斉に飛び掛かってきた。
避ければ後ろのシャンに危害が及ぶため、確実に一匹づつ倒して行くが、左右、上下とグリーンウルフも連携を取ってくるので、右を倒せば左のウルフが左手に噛み付いてくる。それを盾で防ぎ剣を叩き込んで倒す。
上下から襲ってくる奴は、下の奴をメインに防ぎ、上から来る奴は空中で回避が出来ないから屈んで腹に剣を刺したのだった。
前方からくる魔物を倒した所でシャンの方も倒し終えたらしい。
「ふぅ〜、結局逃げずに全部倒すことが出来たな」
「我らを弱い敵と見たのじゃろうな。グリーンウルフは緑魔法を付かう。もし、使われていたら無事ではすまなかったはずじゃ。」
「まぁ、今回は上手く行ったのだから良しとして、討伐証明の尻尾の回収と確かグリーンウルフの素材は毛皮だったから、俺が解体をするからその間の警戒を頼むな。」
「うむ、分かってるのだ。魔石の回収も頼むのだ」
魔物のグリーンウルフの解体をやって、生活魔法の解体に登録すると、解体魔法で簡単に解体できるのである。一度はやらないとイケないのが難点ではある。一匹めを解体し魔法で解体できるかをやってみると、Mpを消費して出来たのであった。
残りのグリーンウルフ9匹は魔法で解体したのであった。
解体中血の匂いに誘われたのか、ブ〜ンという蚊の魔物30Cmが羽音の”ブ〜ン“と言う音と共に5匹飛んできた。討伐ランクHでスライムと、同じ最低ランクの奴だ。討伐証明部所は頭で、素材として羽根が毛生え薬になるとかで、人気がある。
10m離れた所から羽音が聞こえる為、直ぐに分かるし動きが遅い為倒しやすいが、偶に頭のいいのが居て、新人が夜パーティーでキャンプ等をしているとブ〜ンは“歩いて”見張り役のところまで行き足を口針で刺し眠り毒と麻痺毒を相手に流し、動けなくしてから血を吸うのだ。主に夜行性である。
コイツラの怖いところは人を眠らせたら、仲間を羽音で呼び多いときは100匹程集まって集団で血を吸うのだ。
それによって新人パーティーが全滅することもある怖い魔物なのだ。
1、2匹に刺されても2時間程で毒は抜けるのだが魔の森で2時間居眠りすることは死を意味する。
ブ〜ンも難なく倒すが、肝心のゴブリンがまだ見つからない。ゴブリンは巣を作るとのことなので
移動しながら、MAPで魔物が群れている場所を探すと、20匹が
集まっている場所を見つけた。
そこに近付くとゴブリンが居た。
小さな洞窟から出たり入ったりしている。
「よし、シャン突撃するぞ」
「待たんか!外にこの数なら洞窟の中は、その30倍は居るぞ。ゴブリンを1匹見たら30匹居ると思え、総数600匹以上は居るな。2人では心もとない。出直すしかないな」
「分かった、じゃ冒険者ギルドに報告して討伐隊に入れてもらおう」
戻ろうとすると、バッタリとゴブリンと出会う。
仲間を呼ばれる前に走って切り倒すが”ギギャ〜“と泣かれて、巣の方から警戒音なのか、”ギギギギアアーツ“と一斉にゴブリンが泣き始めた為、急いで離脱するがゴブリンが群れで追いかけて来る。
街へ向かっているつもりが、ゴブリンと戦いながら逃げていた為、逆の魔の森奥へ進んでいた。
MAPで確認する暇もなく、2人で100匹程倒しながら逃げていたら、崖の道へと進んでいた。
左は25mの垂直の崖、右は切り立った垂直の崖、自分らが居るところは幅2mの道にいた。
2時間程、逃げながら戦っている為、シャンの疲労が激しい。仕方ないので
「シャン、そこで休憩してろ。この道から先には行かせないから休んでろ」
「すまんが、頼むぞ、もう、体力が玄界じゃ」
俺もソロソロ体力がやばい、ここは踏ん張りどころである。
ゴブリンの後には数え切れない程の数のゴブリンが順番待ちするかの如き、木の棒を持ち“ギャーギャー“と騒いでいる。
「ウオオオオーリァ、」気合を入れて、バッサバッサとゴブリンを切り倒していくが、ゴブリンの緑の血が物凄く臭いし、毒でも入っているんじゃないかと疑うくらい体力が消耗する。
倒したゴブリンを崖から下へと蹴落として足場を固める。
それから30匹程を倒したときだった。
行き成りピタッとゴブリンの動きが止まり、俺の後ろを一斉に少し上を見ていたが、”ギギギャぎぎゃぁー“と騒ぎ一斉に向きを反転させ逃げて行く。
何だと後ろを見たときだった地竜モドキのティラノが崖から頭だけを出していた。
モドキと付く竜は、ブレスを吐くことは無い為、竜とは見られてない。
口には崖から落としたゴブリンの死骸が咥えられている。
そのティラノと目が合うと俺等を食べようと口を開けて襲って来る。シャンは疲れて気絶しているかのように動かない。
そのシャンを抱き抱えて走って逃げるが、ティラノは口からヨダレを垂らしながら迫って来る。
崖下に窪みを見つけて咄嗟に逃げ込むが、ティラノに足を噛まれ引きづられてしまう。
何か手はないかと考えるとエクストラスキルに召喚魔法に龍王と書かれていたのを思い出し、つい無我夢中で「龍王召喚!」と叫ぶと、シャンの身体が光、ムクムクと巨大化して行く。
シャンも気が付いたようで龍王の身体になり、ドンドン巨大化して行く自分を見て
「がははははっ、龍王の力を手に入れたぞ!これで妾は無敵の龍王となった。がはははははっ。うん?トカゲが居るではないか。」
体長500m程にデカくなったシャンが変身した龍王だった。
ティラノはビックリした拍子に口から俺を離して、くるりと反転して逃げようとした所、龍王の足に踏み潰されて呆気なく倒したのだった。
「がっはははははっ、完全復活したぞ。うんん、あの逃げていくのは、ゴブリンではないか、先程のお返しだ」
そう言うと龍王はブレスを吐き一発で全滅させたのであった。
自分の力に酔い痴れて小躍りしている龍王だったが、俺を見て、
「何だタクマ、足を噛まれたのか、街まで送ってやるぞ背中に乗れ」と後ろを向いたときだった。
龍王になって1分程経ったとき”シュルルルルー“と音を立てて龍王が萎んで行き、子供のシャンに戻ったのだった。
しかも、力を使い過ぎたのかそのまま気絶してしまったのだった。
俺は負傷した足に生活魔法のヒールを何度も何度も掛けてやっと立てるようになったが、シャンを担げ歩けるほどではない為、シャンが目覚めるまでここに居るかなと思っていると、2時間程経過したときだった。
フル装備の騎士団の団体が早馬に乗ってやって来て俺等を保護してくれたのであった。
「ここに、ドデカイ龍が現れたのが、王都からも見えて、行き成り消えたのだが、何か見なかったか!龍は何処へ行ったか分かるか。」
面倒くさいのに巻き込まれるのは嫌な為、
「王都の反対側の崖裏に行ってしまいましたよ。自分らは隠れていたので何も見ていません。」
と嘘も方便と言うから喋ったら
「後で龍の事で詳細を聞きたい、王都まで送るから騎士団に付き合ってくれ」と言う。
大半は崖裏の方へと早馬を走らせて掛けていく。
王都に連れて行かれるが、色々と報告が多いようで騎士団の人も慌ただしい為に、先程と同じ質問をされ帰されたのだった。
その頃シャンも目覚め口止めをしておく。
「シャン、いいか俺は面倒事が嫌だから、絶対に龍王に変身したとは言わないでくれ、約束だからな。」
「分かっているのだ。でも龍王へ変身は気持ちが良かったのだ。たまには、妾を龍王に変身させるのだ。」
「騒ぎに巻き込まれるのはゴメンだから、余っ程の危険に合ったときに、気が向いたら考えるよ。」
冒険者ギルドへ行き、精算をやろうとしたら、中は龍が出現したとかで、大騒ぎになっており、とても精算出来る雰囲気ではなかったので宿屋へ帰ったのであった。
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