第56話 闖入者

メリッサたちと別れた後、ルークは目的地である謁見の間に向かって爆走していた。


「むっ」


ルークは何かが飛来してくる気配を感じ、咄嗟に横に飛ぶ。


タタタン


ちょうど行こうとしていた場所に数本の矢が刺さった。


「今のを避けるか」


見えないところに隠れていた近衛騎士達が姿を現す。


(・・・7人か)


「お前たち、始末しろ!!」


リーダー格が問答無用でルークを倒すために指示を出す。


が、そのときにはルークは既に移動していた。


「「「がはっ」」」


苦悶の声を出し、倒れる弓を持った3人。


「なっ!」


リーダー格が驚愕の声を上げるがルークは次の標的に向かっている。


「ぐっ」


「がぁ」


「うっ」


更に3人が倒れ伏す。


「くそぉ」


自分以外の部下が急に倒れたのを見てリーダー格がルークに向かって剣を繰り出してくる。


「おおお!」


ルークが声を出し、あえてリーダーの剣に向かって自分の剣・・・『護命剣』を繰り出す。


ギィィイン


「馬鹿な!!」


見事に半ばから斬られた自分の剣を見てリーダー格が驚愕の声を上げる。


「ぐはぁ」


構わずルークはリーダー格を戦闘不能にした。


戦いの余韻も気にせず、すぐに駆け出すルーク。


その後は直ぐに目的地である謁見の間が見えてきた。


(あれか!)


ルークの接近に謁見の間を守る近衛騎士が斬り掛かってくるが瞬時に倒す。


目前に迫る扉。


(曲がりなりにも謁見の間だからな。何か声くらいかけるか)


ルークが色々考えるが面倒になったのでシンプルな言葉に決めた。


「悪いが邪魔するぞ」


言いながら、扉に向かって剣を繰り出す。


ドガァァァン


中々頑丈だったので物凄い音を立てながら扉が吹っ飛ぶ。


「ふっ」


ルークは相手が反応する前に出入り口にいた4人の近衛騎士を無力化しながら国王様と思しき人物とその隣にいる赤色の騎士を確認する。


ルークと赤色の騎士の目があった瞬間、アイコンタクトをする。


(今だ)


(!?忝ない)


「「「がぁ」」」


ルークが4人、赤色の騎士が3人無力化する。


ルークはそのまま扉付近に固まっていた集団を取り囲んでいる近衛騎士5人に向かっていくと、


「がはぁ」


「ぐふ」


「ぎゃぁぁぁ」


集団を守っていた3人の騎士がルークの登場によってできた隙をついて3人の近衛騎士を無力化する。


(ふ、なかなかやる)


ルークは残りの2人の近衛騎士を無力化し、その3人の騎士に声をかける。


「お前たちとは奇妙な縁だな。再会を喜びたいところだがその人たちを連れて逃げてくれないか?」


「「「はっ!!!」」」


ルークの言葉に素直に従い、3人の騎士が、集団を連れて逃げ始める。


殿を務める気であろう女騎士が、謁見の間を出る前にルークに声をかける。


「あの!後でちゃんとお礼を言わせてください!!」


「・・・分かった。気をつけていけ!」


珍しくルークは思いがけぬ言葉に驚く。


「はい!あなたもお気をつけて!!」


女騎士が、ルークの返答に嬉しそうにし、集団の最後尾について出ていく。


ルークは何だか気分が良くなったが、気持ちを切り替え、唖然としている近衛騎士達に意識を向ける。


「さて、どうする?」


ルークが獰猛な笑みを浮かべる。


残りは近衛騎士9人と首謀者と思われる男の合計10人。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

手前事ですが、とても励みになりますので是非ともフォロー、お星様★★★、お話への応援♥のほどよろしくお願いいたします。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る