第015話 参戦
ルークが村に向かって山を駆け登ってしばらくすると、問答無用で襲ってくる奴らが現れた。
数は5人。襲撃者の仲間だろう。
「ここから先は行かせんぞ!おい、隊長に報告しろ」
リーダー格が仲間の一人に声を掛けると、声もなく頷き村の方に向かって移動する。
(中々の練度だ。場慣れしている)
ルークはそんなことを考えながらも速度を緩めるどころか加速し、襲撃者に向かっていく。
「くっ、撃て!」
リーダー格の号令で、残りの3人が弓で矢を放つ。
「「「なっ!」」」
なんとルークは軽く右手を振るい、3本の矢を全部掴み取った。
そのまま、それぞれに向かって投げると
「「「ぐっ」」」
3人全員が戦闘不能になるがルークは目もくれず、リーダー格にそのまま向かう。
「ちぃ!」
リーダー格が短剣をルークの心臓目掛けて突く!ルークが簡単に避けながら左拳を振るう。
「がぁ」
カウンターの要領でクリーンヒットしたため、リーダー格は呆気なく戦闘不能になった。
立ち止まって確保すべきなのだろうが、ルークはそのまま走り去っていく。
(今は、一刻を争う。逃亡するのも止むを得ない)
結局、ルークは一度も立ち止まることなく、通過したのだった。
「ぐはっ!」
その後すぐに先ほど隊長に報告しろといって駆け出した襲撃者に追いつき、戦闘不能にする。
更に進んでいくと、村の中でひと際戦闘が激しくなっている場所が見えてきた。
(気配からすると、2つの場所でそれぞれ戦闘が生じているようだ。恐らく、村の集会場かなにかに集まっているのを何とか堪えているという感じだろう)
自分の故郷も有事の際には、避難する場所が決められていたのをうっすらと思い出し、ルークはそのように当たりをつける。
(どうする?村側の方は何とかギリギリしのいでいる状況のようだが、数が多い。反対側は数の増減が激しいので危うい)
ルークは迷う。反対側は数が村側よりも少ないので例え突破されても致命的にはならないだろう。
対して村側は数が多いので突破されたら致命的になる。
今までのルークなら、迷わず村側を優先させていただろう。
(何故か反対側に行きたがっている)
不思議な感じだった。
そちらに行かないと一生後悔するような気がする。
(もう俺は、兵士じゃない。自分が行きたいと思ったところに向かうとするか)
そちらを先に制圧し、すぐに村側に加勢しよう。
ルークは方針を決めると、村の反対側に向かう。
戦闘場所に到着するとちょうど男が右腕以外の手足に矢が刺さりなざらも勇敢に短剣を構えている金髪の少女に対し鉈を振り上げながら、
「てめぇはやり過ぎた。大人しくしていれば、この変態に可愛がられて死ぬことだけはなかったというのにな」
と言い振り下ろすところだった。
(いかん!間に合うか!)
ルークが後先のことを考えず、リミッターを外し、更にスピードを上げる。
鉈が振り下ろされると驚いたことに少女はあの怪我で飛び掛かりながら短剣を突き出す動作をした。
(相討ち覚悟か!?中々肝が座っている!)
ルークはぎりぎり何とか少女の後ろにたどり着き、眼前に迫る鉈を左手の親指と人差し指で挟んで止める。
そのまま、自分から鉈に向かう形になる少女の右手に自分の手を添え、その短剣を男の左手に刺すことで勢いを殺す。
そして、思わず、
「よく頑張ったな。大した娘だ」
そんなセリフが自然と口から出てきたのだった。
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