悩ましけ　〜伊奴の煩悩〜

　人妻って、ある種の男の人にとって、とってもおいしそうに見えるんでしょうねw
　
　伊奴《いぬ》は卯の団の新人。
　いっぽう古志加《こじか》は、結婚して、卯の団の衛士はやめたものの、腕が鈍らないよう昔の仲間たちと稽古をしたり、旧交をあたためたりしていました。

　伊奴《いぬ》は、稽古場に来た古志加《こじか》に、男としての欲望を抱いてしまいます。

　人妻となって、あでやかさを増した古志加《こじか》。
　留守中の上司の妻、と知りながらも、伊奴《いぬ》はつい……
　
　読むっきゃない、読むっきゃないです！

年若い青年が美しい人妻に悶々とする物語。

同筆者様の
『あらたまの恋　ぬばたまの夢　〜未玉之戀　烏玉乃夢〜』
のその後を描くスピンオフ作品です。

物語冒頭からぴったりの万葉集の唄から始まり、美しい本編ヒロインに色んな意味でお近づこうと頑張る主人公、伊奴（いぬ）の奮闘。
まぁ…もちろん失敗するんですけどね。

若いときって年上に憧れるのは古今東西、変らないものなんだなぁ、と思わされほっこりとする素敵な作品です。

読了後にブラウザによっても変わりますが、レビューをしようとすると目に入るタグも的を射ていて、クスっとしてしまうので是非見て頂きたい。
筆者様のお茶目さにニマニマしてしまうでしょう…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（265文字）

人妻に横恋慕している男の子の話。
いやあ、かわいいです。玉砕しているけど！
万葉時代って、恋することがおおらかだったんじゃないかな
って思っています。
だから、人妻にこうやって恋心抱くのもありだったんじゃないかと。
明るく嫌味なく、煩悩が描かれていてよかったです。
加須さんの描く、万葉時代、大好きです！

今も昔も、男って言うのは変わらないなあと思います(笑)。
いや突然何の話と思われるかも知れませんが、ひとこと紹介の通り万葉集のことです。
この作者様は冒頭に万葉集から歌を引用されることが多くて、それがまた話の雰囲気を盛り上げているのですが、今作で使われているものを読んでの私の感想です。
で、読み終えての感想でもあります(笑)。
とは言え、これは東歌に分類されるものらしいので、こういう直截的な表現もうなずけるところです。
でもいいキャラですよ？　今回の主人公くんも。

短編ですので、いつものように内容には触れませんが、今作では私いちおしのヒロインの成長した姿が見られて、とても嬉しいのです。
し…続きを読む