ももきね旅の草枕

作者様の古典の造詣の深さとそこから物語をふくらませる才能に脱帽です。
最初はフリガナ付きで原文を堪能して現代語訳で意味を理解し、それでもわからない人には親切にも解説があります。
イケメンインテリ韓国源君の少年時代のお話はその後です。
ここから源君がこうなるのかぁと感慨深いです。成長後の源君は、別作品の『恋や明かさむ　〜偽りの縁談〜』に登場します。こちらも作者様の古典知識と物語の才能あふれる作品ですので、一読をお勧めいたします。

扉を開けたそこは、出会い頭に万葉の歌スペクタクル〜。ふあ？！　呪文みたいでカッコいい！
はい……アホ丸出しの第一声であります。

とても短いながらも四部構成。
漢字たっぷり万葉呪文、我でもわかる現代文、なるほどガッテン解説。
そして作者様の繰り出す兄弟のオリジナルストーリーin奈良時代。

オリジナルストーリーはちょっとクスッと笑いもあるなんとも微笑ましい兄弟の旅の日常の一コマ。描写がなんと雄大で素晴らしいことか。

心晴れ渡る、かいた汗さえ清々しく乾いていくような涼風。兄弟と共に、兄弟愛の中に、私も感じました。
この奈良時代のおくそ山には、そんな風が吹いているのです。

知的興奮を覚えるそ…続きを読む

美濃という言葉にかかる枕詞（まくらことば）らしいです。
意味はよく分からないそうです。
まあ、大昔の歌ですからね……。
この言葉も含めて、難しい言葉にはちゃんと説明がありますので、大丈夫です。

この話は、作者様があらすじで書かれている通り、奈良時代の薬売りの兄弟の話です。
奈良時代の薬売りの兄弟の話なんて、他にあるでしょうか……多分ないのではないかと思います。

今風に言えばロードムービーみたいな……いや、それにしてはちょっといにしえ感が強いかな……？
一話完結のお話ですので、これ以上はあまり触れません。
この雰囲気を、どうかご自分の眼で確かめていただきたいと思います。

あとですね、気付…続きを読む