今あなたは笑いましたか?その笑うという行為の意味を、生物学的な観点から考えてみたことはありますか?……いきなりなんのこっちゃ、となるかもしれません。ですが、本作はそういう「感情」の持つ意味を生物学的に考察する作品なのです。もっとも、それだけにお話は止まりません。恐怖という感情は、本作内の考察で語られた効果以外の効果も狙えるのです。それがどういうことなのか、そして本レビューのひとこと紹介の謎の叫びが何なのか、気になったという方は是非本作を読んでみてください。
この方の歴史史観や時代精神分析は深くて鋭い!ハッとさせられるものも多い。司馬遼太郎の司馬史観に通ずるところがある!
サブロウ先生の言説に則るならば、ヨシノちゃんの挑発行為は純然たる好奇心に他ならない筈!なのに、最後の一言の意味は? サブロウ先生の分析がさらなる広がりを求められる、ということかもしれません。ためになって、自分の日常にも引き寄せて思考できるお話。連作短編の第二段です。
笑いとは何なのか。それは恐怖の下位互換なんだ――というところから、この話は始まり、終わっていきます。笑いから恐怖、そして恐怖というネタから、そう来たか、というところが凄い。そう、まるで笑っちゃうほど……。ぜひ、ご一読を。
もっと見る