第15話 資料室で本を読もう

 ガルーさんにテイマーギルドの三階にある資料室で魔晶石を取りに行く南の森について予習してこいと言われたので資料室とドアに書かれた部屋に入るとそこには何故か書類に囲まれたマリーナさんがピクリともせずに座っていた

 ちなみにレイセンとナギサは裏庭の従魔預り所に預けてきた


「もふもふモフモフもふもふ………」


 よし無視しよう。こういう極限まで追い詰められた人にからむと碌なことがない

 横を忍足を使って通り抜けようとしていたら


「…ねぇ、ここにいる悲し気な雰囲気を醸し出しているお姉さんを無視して通り過ぎようとしているクレス君、忍足までちゃんと使って本棚まで通り過ぎようとしているクレス君、お姉さんを助けようとは思わないんですか?」


 ほらめんどくさいことになった。しかもこの人顔も意識もこっちに向けた気配もなかったのにちゃんと俺の場所を把握してきた、怖っ


「今“怖っ”て思ったでしょ!お姉さん悲しんじゃうよ、お詫びにレイセンちゃんとナギサちゃんを吸わせてください‼︎」

「あなたエスパーなんですか!レイセンとナギサは今居ませんし吸わせません!」

「失敬な!れっきとしたテイマーですよ!」


 もう嫌だこの人、めんどくせ〜助けてガルーさん!


「クレスさん大丈夫ですか?」


 この人もエスパーなのか?


「ガルーさんベストタイミングなんで助かりますがあなたもあなたでなんでこうもタイミングピッタシなんですか」

「獣人の勘とでもしておきましょう」


 とても紳士的に誤魔化された


「さてとそんなことは置いておきまして、支部長進みましたか今年の生息域調査の報告書、締め切り後1週間ですよ?」

「ひゃいっ!すぐやります!やりますので殺気飛ばさないでくださいお願いします」


 この人たちほんとに上司と部下なのか絶対ガルーさんの方が支部長向いてる気がしてしょうがない


「クレス君、クレス君何か資料を探しにここに来たんじゃないの?」

「え〜っと南の森に魔晶石の原石を採取しに行くことになってガルーさんに事前に出てくるモンスターについて知っておいた方がいいと言われて来ました」

「それじゃあそこにある冊子読んじゃっていいよどうせこの後総合ギルドに提出して誰でも読めるものだし」

「読んじゃっていいんですか?」

「いいの、いいの。それにそこに書かれてることは一様最新の情報だからクレス君にとっても古いの読むより有意義なはずだよ」


 マリーナさんはそう言うがガルーさんのほうはと思い向くと呆れた様子で許可をくれた


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 〜ジノース周辺のモンスターの生態記録 Vr14〜


 ジノース草原

 キックラビット ⭐︎フォーチュンラビット ⭐︎ボーパルラビット

 夜

 グレーウルフ ナイトバッド レイス(最下級)


 ジノース森林 北

 グレーウルフ フォレストビー ⭐︎ハニービー フォレストリス オウル ○フォレストベアー ○フォレストタイガー ●ゴブリン ●ワーウルフ


 ジノース鉱山 北

 アーミーアント ⭐︎ストーンアント リザード ナイトバッド ○ストーンゴーレム


 ジノース湿地 東

 スライム マッドスライム ⭐︎リジェネスライム フロッグ ○ヴェノムフロッグ ○ヒゥージスライム ●リザードマン


 ジノース森林 西

 スライム グレーウルフ フォレストビー ⭐︎ハニービー フォレストリス オウル ○フォレストベアー ○フォレストタイガー ●ゴブリン

 大河付近

 スライム ピラニアン リバークラブ ⭐︎スウィートアユ


 ジノース森林 南

 グレーウルフ フォレストビー ⭐︎ハニービー フォレストリス オウル トレント ⭐︎フォレストキャット ○フォレストベアー ○フォレストタイガー ●ゴブリン 

 ◉ギンゴートレント


 ※⭐︎…突然変異種、進化種、希少種

 ○…この地域での生態系の頂点

 ●…この地域に元からいない外来種

 ◉…原則討伐禁止

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 ギンゴーってなんだ?それに討伐禁止ってこのモンスターなんかすごいのか?


「ガルーさんこのギンゴートレントってなぜ討伐禁止なんですか?」

「あぁ、ギンゴートレントは大昔に起こった源大陸の歴史上最大の戦争が起きた後鎮魂の聖樹として植えられた樹がトレントになった存在で知能が高く危害を加えなければ友好的なのでこの国の守護獣的存在として崇められているから討伐するのを国が禁止しているんだよ」


 ほ〜これから南の森に行くから見つけられたら会ってみるか。手を出さない限り有効的らしいし


「クレス君もうそろそろテイマーのレベル15だよね?」

「はい」

「ならいいこと教えてあげる♪15レベルになると連れ歩ける従魔の数が7匹になってテイムできる数の上限が15匹になるからバンバンテイムして私になでさせてね〜」

「え〜っと、そういえば15レベルになると魔物召喚を覚えるって聞いたんですけどかえってきたらできます?」

「9時までは空いてるからどうぞー、でも一つ注意事項召喚には5個の魔晶石が必要だから南の森でジャンジャン集めておいでー」

「クレスさんそれとお忘れかもしれませんが調教術の熟練度が10を超えたら従魔の魔晶石への送還と魔晶石からの召喚もできるので忘れないように。もし従魔が倒されてしまったとしてもその従魔用の魔晶石があれば半日経てばまた召喚できるようになるのでご安心を」


 そうマリーナさんとガルーさんに有意義な情報をもらい預けていたレイセンとナギサを引きとってなけなしのお金でポーション類を買い込み南の森に向け門を出た

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