第5話 ゲームスタート前にチュートリアル①

明日のため英気を養ってゴロゴロしていたらいきなり沙羅さらから連絡が来た。


「何か用か?こんな時間に、明後日正午にゲーム開始地点で集まるんじゃないのか?開始位置は一緒なんだろ?」


「そうだけど!アバターの特徴とか聞いてなかったから聞いといた方がいいでしょ♪ちなみに私はネームが“ランテ”で金眼の黒猫獣人だよ。そっちは?」


「俺の方はネームが“クロス”で紫眼の紫がかった銀髪の人間だ。」


「クロスって懐かしいネーム使ってるね♪でもあのネームはもう使わないんだね。」


少し寂しそうな悲しいような声が聞こえてきた。


「あぁ、あのネームはもう使えないからな。悲しませたらすまん。」


「うぅん…、もう私も区切りついてるし大丈夫だよ。……さぁ辛気臭い雰囲気はおしまい、ねぇそっちのキャラメイクのお助けAIってどんな子だった?こっちはショタなのに声がすんごいダンディーな子だった。」


「それはまたキャラ濃いな、こっちは貴族服風の燕尾服を着た声も体格も中性的な悪戯したくなるような反応するやつだったぞ。」


「なにそれ可愛いじゃん絶対。いいなぁ、まぁこっちの子も子供扱いすると可愛い反応して可愛かったよ♪」


よほど気に入ったのかずっと何々って言ったらこんな反応して可愛かったって言うことを30分ほど永遠と語られて通話は終わった。



「さてとチュートリアルも解禁されたし受けに行きますかっと、

ダイブ イン……。」


—————————————————————————————————————————


気がつくと昨日もいた全てが白くどこか異質な部屋にいた。

少しすると昨日のようにレイサさんが気づく間も無く現れ話しかけてきた。


『おはようございます。さっそくチュートリアルをお受けになりますか?』


「おはよう御座いますレイサさん。昨日のようにフランクに話していいんですよ。」


『昨日のことは忘れろとは言いませんが掘り返さないでください!もぅ、せっかくカッコよく登場できたと思ったのに台無しじゃないですかぁ。』


うん、今日もレイサさんはからかいがいがあるな。なんか俺への文句みたいなの言ってるけど、


「それじゃぁ、チュートリアルの開始お願いします。」


『話聞いていました⁉︎ まぁいいですけど。それでは始めますね。まずはクラスのチュートリアルですね、テイマーはこの場でのチュートリアルはありませんが錬金術士のチュートリアルはあります。その他のスキルは、戦闘チュートリアルだけですね。調理はテイマーと一緒でこちらでのチュートリアルはありません。』


「それじゃ、まず戦闘チュートリアルをうけられる?」


『了解です。まずは棍術と体術のチュートリアルです。』


レイサさんがそお言うと白い部屋の少し先に見るからにゴブリンです。と言いたげな緑肌の人型のモンスターが立っていた。


「あれってゴブリンだよな?」


『はい、ゴブリンです。しかもチュートリアル用の特別製です。ゴブリンらしい動きがインプットされていない純粋な戦闘が楽しめるゴブリンです。』


「そういう運営側のこと言っていいんですか?」


『いッ言ったとしてもこれと同じモンスターはゲーム内にはいないのでセ、セーフですよね?』


あまり言ってはいけないようで焦った噛んでしまっているのがなんとも可愛らしい、やっぱ王子様系の美女の見た目がいいギャップを出してる。


「こっちに聞かないでください。つまりこいつはゴブリンの姿をしてるけどゲーム内でのゴブリンらしい卑怯な手を使わないってことでいいんですね?」


『はいそういうことです。』


「武器は?ゴブリンと一緒に現れた中から使っていいのか?」


『はい、その中から好きな種類の棍を選んでお使いください。ちなみに、ゴブリンは無間湧きなので満足するまで戦ってくださっていいですよ。体術はガントレットなども準備していますのでそちらもお使いください。』


相変わらず切り替えが早いな、そこはさすがAIってところかな。

さて最初は無難に棍棒で戦ってみるかえ〜と棍術の熟練度1で解放されるのは“スイング”かまぁありきたりな横振りだな。


「スイング!」


ヒット!ゴブリンは死んで…ない!

普通に殴ってみるとあっ…死んだ、ちゃんとダメージは入ってたらしい。

流石にレベル1のステータス均等振りだとスキル使っても一撃で倒せんか。


さて今度は叫ばずに棍を振りながら心の中で、


(スイング!)


ッよし!発動した、公式で言っていたモーション発動成功!

次は、斜め上からスイング発動…成功! そして2匹目のゴブリンも無事死亡。

そこからいろいろな角度や体制から繰り出してみた感じかなり発動の判定が広いと分かった。後ついでに短棍や両手棍、連接棍、金棒も試したが最終的に両手棍の中でも軽い六角棍に落ち着いた。

体術の熟練度1での効果はなにも武器を持っていない時での攻撃力と反動ダメージ軽減の補正だった。

ちなみにここまでで23匹のゴブリンが尊い犠牲となった。


「魔法のチュートリアルの開始お願いします。…あれレイサさん?」


『‥あなたという人は本当に何者なんですか!なんで何回も回転させてスピード乗ったままスイングのモーション発動一発で決めてるんですか!しかもキメ顔でこっち向かないでくださいなんか腹が立ちます。』


帰ってきた言葉わなぜか文句だった。確かにバク宙に合わせて使って大回転とか、棒高跳びの要領で大ジャンプとかやったけども文句言われる筋合いわいはないと思うんだけどな。

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