概要
諦めてばかりの人生はもう終わり。だって死んじゃったんですもの。
伯爵夫人のフランシールは、気が付いたら実体のない体で空中に浮いていた。さっきまで、段々と呼吸が浅くなって自分の体温が下がるのを感じながら、泣きじゃくる娘の顔を見ていたのに……。娘の顔がぼんやりとしだして、ああもう見えない……そう思ったら魂だけの存在になっていた。神様の使いだと言う男性に連れられて、天界へ足を踏み入れる。そこで見たのは、夫の愛人から虐げられたフランシールの娘の姿だった。フランシールは、今まで味わったことがない憤りを覚える。このまま、生まれ変わることなんてできない。もう一度、現世に戻して欲しいと神様に訴えた。神様は、生まれ変わることと引き換えに、三カ月間だけ誰かに憑依することで時間をくれる。彼女は、決意する。自分の大切な唯一の宝である娘を、幸せへと導くのだと。娘を幸せにするための計画が、今始まる――――。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!娘を想う母の心は、死しても強く揺るがない
※あらすじと物語序盤以外の感想は避けている為、ネタバレ表示は無しで。
この作品は全体を通して感動的で心温まるストーリーとなっています。
死亡した主人公であるフランシールが、神とある条件を引き換えに自分の魂を侍女に憑依させ娘を支援するため奮闘する姿はとても共感できます。
また、登場人物たちの心情描写は非常に丁寧に書かれており、その世界観に没入することができるでしょう。
特に、フランシールの娘を蔑ろにする愛人達の描写は、読者に憤りや怒りを与えることで、ストーリーの緊張感を高めています。
作者は優れた文章技術があるで、飽きることなく最後まで一気に読むことができます。この小説を読んだことは、…続きを読む