もう一歩心に踏み込んだらわかり合えるのに。切ない恋の宝石箱のような物語

第二章22話を読んだ時点でレビューを書いています。

人に気を遣いすぎてしまい、自分の心を言葉にするのが余り上手ではない小夜という女性と、彼女に純粋な愛情を抱いていた男との心模様が物語を織り成しています。

幼く、自己中心的な行動が罪悪感として根付いてしまい足かせになってしまう事や、相手を思いすぎる余り心と裏腹の行動を取ってしまうことを経験した方も多いでしょう。自分の気持ちをもう少しだけ正直に話していたら。相手の心にもう少し耳を傾けていたら。自分の恋愛に重ねてしまう人も多いのではないでしょうか。そんな、ありふれた男女の恋物語です。

登場人物達の心情が美しく赤裸々に語られ、知らず知らずに感情移入してしまいます。甘い恋にときめいたり、相手の言動に傷付いたり。登場人物達の言動に激しく揺さぶられる心を、今持て余しているところです。

「六人の群像劇」と言う事なので、物語が今後どのように進んでいくのかまだ分かりません。でも、皆が納得する終着点を迎えて欲しい。まるで友達の恋を応援するように切にそう思います。

こんなに素敵な恋物語を読まずにいるのは勿体ない。

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