中学生という危うい時代を丁寧に描いた物語

主人公の泉は自分の本心を表に出すことが苦手な女の子です。彼女はある日誰もいない理科室に、クラスで浮いていて、虐めの対象になっている真をみつけます。それから二人は、夕方の理科室で静かな時間を共有していきます。

一つ一つ丁寧に綴られるエピソードは、薄いガラスで出来ているようです。残酷だったり脆かったり、正義感に押しつぶされそうになったり。色んな登場人物がもたらすエピソードに泉は心を揺り動かし、必至に世界とのバランスを取ろうとします。

私はあまりコメントを書く方ではありません。でも、一話ごとに心がワーッと突き動かされ、その思いを作者であるプラナリア様に聞いて欲しくなってついコメントを書きました。(形になりきらず、書けなかったこともありますが……)

あなたは中学生の時代に、何か忘れ物をしていませんか?
もし、何か心当たりがあるのなら、この物語を読んでみて欲しい。きっと、何かをみつけられるはずです。

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