少年と神の物語「美しい気味悪さ」を味わって欲しい

山の神に助けられた少年御言は、神の言葉を村人に伝える役目を果たすことになった。
だが神は、恐ろしいものを村人に要求するようになってしまう。

少し昔の、神や呪いが人々の暮らしと繋がっていた時代の物語です。
御言はとても優しい少年で、神の為に犠牲になる人がおり、自分がなんの助けにもならないことをとても気に病んでいます。

自分の身に悲しい出来事が起こったにもかかわらず、人を思う優しい少年。

生々しい描写、神と人の心の動き、その後ろに見え隠れする何かがあり、とても気味が悪い。ホラーの醍醐味とも言えるその「気味の悪さ」が情緒溢れる文章で描かれています。

まだ完結に至らない時にこのレビューを書いていますが、御言少年がたくましく成長し、この「気味の悪い何か」に打ち勝つのを望んで止みません。

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