顕微鏡

作者 プラナリア

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★★★ Excellent!!!

見ようとしなければ見えない、それぞれのもつ特別な世界。
勇気を出してそれらを覗き込んだ時、自分が元々もっていた世界と化学反応を起こして、ほんの少しだけ新しい世界が生まれる。

それを繰り返していくことこそが「生きる」ということなのかもしれないなと、この作品を読んで感じました。

この作品の中で描かれているのはどれも拾い上げるとなんてこともない、探せばどこにでも落ちていそうな瞬間たち。でもきっとこんな一瞬こそが我々にはとても大切で、また特別だった……。

あなたももう一度だけ体験してみませんか? そんな煌めく一瞬を。
泉の目を通して、美しい情景描写とともに。

★★★ Excellent!!!

中学2年生の少女・泉は、教室に閉塞感をおぼえながらも、心のバランスを保つ。
うまくバランスを保てない少女が居る。
教室より理科室に馴染む少年が居る。
教室という箱に、個人の別世界が、プレパラートの上のアメーバのように生きている。

顕微鏡越しに拡がる透明な微生物の世界。
それは、10代を生きる人の姿のように、流動的でフォルムを固定しないからこそ、脆くも美しいのだろうか。

花びらみたいな心の行方を、見守らせて、ください。

★★★ Excellent!!!

思春期。
今思っても、なんだか特殊な時期だったと思う。
そんな思春期特有の心情が、とても美しい文章で綴られています。
懐かしいような、切ないような、そんな気持ちになるお話でした。
思春期は、1日が長くて、1年経つのだって本当に長くて、妙な閉塞感で溺れそうだった。そんな感覚が呼び覚まされました。