真田幸村の恋

一話ごとが、簡潔に短くまとめられていて、とても読みやすいです！

込み入った筋でも、簡潔にわかりやすく描写されているのには、いつも驚かされます。まさに海石榴先生マジックという他ありません。

文章のそこかしこに漂う、美しい情感！　文章のバランスのよさは、芸術の域と感じます。

さまざまな要素が、さまざまな登場人物が、混ざり合いながら、それぞれに生き生きと輝いている。特に自分は、この物語の真田昌幸（幸村の父）に魅了されました。陽気に、前向きに、そしてなにより、巨大な敵にも屈せぬ反骨心！

それから、この物語の猿飛佐助も、独特で心に残るキャラで、たいへん惹かれました。

血沸き肉躍る、戦国の物語…続きを読む

真田幸村のその誕生から成長、どのような生育環境におかれ、周囲にどのような人物がいたのか、長じて出会った人々は彼にどのように関わり、それによって幸村がどう変化していったのか。それらを丹念に辿り、この人物がなるべくして『真田幸村』になったのかを描き出していく作品です。
正確な表現がこれに説得力を持たせ、抑制的で緻密な筆致が読み手に湧き上がる感動を与えてくれます。
一話ずつじっくりじっくり味わうのもよし、一気に堪能するもよし。おすすめです。

やっぱり真田幸村はいい人じゃないとね

真田幸村の物語は多くの作家が描いてきましたが、此処にある物語は他の書籍を大きく引き離す頂点に存在します。

　近年は史料的に正確な名「真田信繁」で呼ばれることも多い真田幸村。
　その幸村が大坂の陣で倒れるまでの一生の物語を、幸村が恋した佐江姫との絆を軸に描ききります。
　歴史の展開にのっとりながら、ときには大胆な創作も交えて描く。
　「敗者の美学」ではない「日の本一のもののふ」の物語！
　連載開始から一年の時を経て完結しました。

戦国時代の武将の中でも人気の高いといえば、まず真田信繁こと真田幸村を思い浮かべます。


信濃の小県という小国の武将、真田昌幸の息子として生まれた幸村。
同じく戦国の時代に生まれた織田信長や豊臣秀吉、あるいは徳川家康に比べると知名度はあっても、その人生は華やかとは程遠いところにあったのかもしれません。


この作品では、真田幸村の生涯が綴られています。
諸説ある幸村にまつわるエピソードを交えながらも、作者様独自の視点で描かれたストーリーは、その先を知っていてもドキドキハラハラの連続でした。


また、この作品は真田幸村という人にスポットを当てつつも、彼の周りの人間もしっかり描いていますし、む…続きを読む

若き日の真田幸村がどうやって
家康を追い詰めるような武将に成長していくのか

老獪な昌幸(幸村の父)や
勝気な性格で恐れられているけど幸村に恋する乙女の佐江姫なども周りを固めます！

真田十勇士のメンバーも幸村の元に集まってくる展開はわくわくしますよ

新聞の連載小説のように少しずつ更新されるので毎日読み進めるのも楽しい作品です

海柘榴様というかわいいお名前からは想像できないような骨太でしっかりした物語は書籍化がぜひ望まれます

読み手を選ぶかもしれません。
ですか、決して読み飛ばしてほしくない。
一句ごとに味わってほしい、美しい日本語です。
歴史の解釈には賛否あるかもしれませんが、まずは構えずに物語を楽しんでほしい。
そんな作品です。

歴史の脇に隠れがちな武将を題材にしていますし、書き方も読みやすいです。
展開が楽しみです。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（74文字）