第2話 元服式―2
幸村の元服式が終わった後、幸村の父・
「源次郎よ。そなたはこれより
幸村は幼名を
幸村という名は、江戸期に書かれた『
また、信州
ともあれ、「幸村」という名は、もはや
幸村は、父の昌幸から信繁という諱の由来を聞かされ、
「はっ、心得ましてございます」
と、この日、初めて人前で言葉を口にした。
この17歳の幸村は、どこにでもいるような平凡な容姿の若者であったが、ひとつ大きく人と違っていることがあった。極端な無口だったのである。
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