東京ユグドラシル

僕が気付いた時には世界が変わってしまっていた。記憶をなくし、ただ一人で放り出されたそこは廃墟化し自然に飲み込まれつつある日本の首都、東京。地上はドラゴンが飛び回る危険な場所となり、人々は地下に逃れて新たな生活圏を構築していた。地下鉄の線路や下水道、地下商店街、戦前の防空壕など、東京の地下には様々な空間がある。そこを人々は拠点としていた。しかし資源も食料も余裕はなく、人々は過去の遺産を発掘してなんとか生活できている状況だった。すべてはユグドラシル(世界樹)の出現から始まった。誰もがそう言うが、誰もそれ以前のことを知らない。東京の外がどうなっているのかわからない。僕はディグアウターと呼ばれる仲間たちと協力しながらこの東京について調べ始める。どうやらここは僕の知っている東京とは少し違う。あるはずの…続きを読む