混血と、剣戟の音と、翡翠のスタンザ

【気まぐれ休載中。構想は練ってます】
　自らの運命に絶望していた。君に出会うまでは――。

　九年前、王である父に命を狙われて王都を逃げ出し逃亡生活を余儀なくされていた元王女ジュディ。彼女が偶然逃げ込んでいた南部辺境の街で、彼女は一人の旅人の青年に出会う。その小さな出会いをきっかけにして、様々な人々の人生は数奇な巡りあわせによって物語を紡いでいき、それはやがて大きな時代のうねりとなっていく――。
　≪雑草≫と呼ばれる奴隷身分の最下層民と、それを支配する人間たち。人間に使役され生殺与奪の権利すら握られていた≪雑草≫たちが生きる世界で、音もなく起きる、取るに足りない二人の出会い。

　「運命」などは存在しない、この世界を動かし自らの歩みを定めていくのはいつでも偶然と個の決定である。