琥珀の月が満ちるまで

朱里が目を覚ますと、そこは自分が大好きだったファンタジー小説「水底のレイラ」の世界。
物語が始まる半年前の時間軸だった。

しかも、この国ではとつぜん異世界からの転生者や憑依者が相次いでいて、混乱をきたしているのだという。
どうやら自分も異世界から来てしまったうちの一人。
しかも「水底のレイラ」の主要人物リヴァーの妹アシュリーの身体に憑依してしまったようだった。

朱里は元の世界に帰るため。そしてリヴァーの妹に身体を返すため、原因究明に協力することになった。
物語が始まってしまう半年後までにそれを成し遂げなければいけない。
そう決意したものの、それはけっこうハードな生活だった。