概要
これは四季という、ある刀工の、ある一年間の話
その昔、『四季』という刀工がいた。
彼が作る刀は、季節や持ち主によって、刀身の文様を変えるのだという。
そして、依頼さえあれば彼は刀を手折ることもある。
これはそんな彼の、ある一年間の話。
彼が作る刀は、季節や持ち主によって、刀身の文様を変えるのだという。
そして、依頼さえあれば彼は刀を手折ることもある。
これはそんな彼の、ある一年間の話。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その刀匠は刀を打ち、刀を《手折る》
刀匠・四季 宵一郎 宗治――彼の打った刀には季節が宿る。春の刀には桜が綻び、夏の刀は露を纏う。秋の刀には紅葉が舞い、冬の刀は雪の結晶が浮かびあがる。実に美しきそれらの刀を受け取るには、ひとつだけ、約束ごとがあった。
断じて、血で穢さぬこと。
刀とは握る者の魂を映すものである。故に罪を吸った刀は、時に人の魂を狂わせることがある。
よって穢れた刀は、四季が責任をもって、手折る。
刀匠でありながら《手折人》という異称を携えたひとりの男が循る、春夏秋冬。そこには悲喜こもごもたる其々の人生がある。
風景が目蓋に浮かぶ巧みな筆致といい、ほんとうに素晴らしい短編連作です。是非ともご一読ください。