虚構と現実を揺蕩う不思議な言葉たち

揺蕩う……たゆたうと読みます。
これは物語をつづる創作者にあてた不思議な手紙だと思いました。
書き手である私だけでなく、物語を創作した作者自身への手紙でもあり。

のらりくらりと揺蕩う語り部の言葉、そのふわふわとした綿菓子のような言葉の中に切れ味鋭いカミソリが潜んでいる。
しかしカミソリかと思ったら、それは柔らかいゴムのフェイクだったりして。
つかみどころがないようで、その尻尾は鼻先にぶら下がっていて、つかんだと思ったらつかんでなくて。

これはさまざまなイメージを読み手に喚起させる装置・システムだったのだと思いました。

言葉と遊びながらいろいろ考えさせられる不思議な空間。
ぜひこの空間に迷子になりに来てください!

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