四季を通して語る仙人の独り言。言葉遊びの裏には嘘のような真があります。

銀河のどこかで漂う仙人が四季を通して思考の旅をする、センチメンタル・ジャーニー。ちょっととぼけた口調が楽しく、取っつきやすく読みやすい。
ひとつのエピソードは短くさっくり読めるサイズですが、必ずどこかにフムとうなずかせる箇所があり、印象に残るフレーズがあります。浮遊するような言葉遊びの中に、チラリと本音の流れ星が光る。しかしそれもまた嘘か真か、仙人にはぐらかされてしまいそうな流動感。まさに季節も人もすべてが流れゆくもの。
広い銀河で少し独特な色をして光っている星のような、そんな作品だと思いました。

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