綴りスイッチ入りました。四季を巡り銀河と共に戯れましょう。お菓子もね。

タイトルは、『二十四逝記』ですが、その名の通り、未来の二十四世紀を示すようでいて、春、夏、秋、冬と四季を巡り、二十四節気も辿っております。

その為、全二十四話です。

章タイトルとエピソードタイトルがよくできており、章タイトルは、例えば、『冬の寄港;死の淵へダイブする』と洒落ています。

紀行、寄稿、寄港と掛けている訳ですね。

中は、まるで詩のようですが、散文です。

ジャンルは、現代ファンタジーとなっております。

邯鄲の夢のような鼻提灯から始まって、啓蟄にときめいたり、リアルの流行にまで触れ、私も大好きなお菓子のお話に、創作上の綴りスイッチなどの創作論も交えて、銀河を語り、古(いにしえ)の音が聴こえて来たりととてももりもり満点な作品です。

科学的なものとファンタジックなものとリアルなものが織り交ぜてあり、化学反応を起こして、素敵な作品に仕上がっております。

ルビの振り方がとても特徴的で、相当見識が深く洞察も優れた作者様ならではの魅力に溢れております。

贅沢な一品、是非、ご一読ください。

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