概要
胡散臭い青年、生き残りの魔導士、少女を仇と狙う異端審問官――様々な人々の思惑が交錯する中、予言の年が訪れる。
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※アドバイザー:最勝寺 蔵人
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※『小説家になろう』にも掲載しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!予言の少女を救えるか。剣と魔法の群像劇。
光の精霊の漂う森。その奥に隠された塔。そこには一人の美しい少女が幽閉されている。少女の名はカイ。彼女は『予言の魔女』と呼ばれ、大陸に厄災をもたらす者とされ処刑される運命にあった。だがカイの運命は、偶然にも塔を訪れた二人の若者との出会いによって変わっていくことになる。
この予言の少女、カイを軸に物語は進むが、起点となる人物はもう一人存在する。それが塔の番人である青年、デュークラインだ。彼は優れた剣術の腕を持ち、カイの護衛として彼女を守っているが、時に彼女に非情な仕打ちをする。カイを慈しむ一方で、カイを苦しめざるを得ない自身の立場にデュークラインは苦悩する。彼の抱える秘密とは、そして彼のカイ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!英雄たちを結びつけたのは、悲劇の娘の、誰よりも清澄な心
純粋で、健気で、しかし芯は強い。
運命に翻弄され続けた悲劇の娘は、それでも運命を呪うことなく、どこまでも清い心を持ち続けていた。
どうしても救いたいと思わされる。
そんな娘だからこそ、これほど多くの人物が彼女の力になろうとしたのでしょう。
若くひたむきな騎士従士タオと、聡明な大聖堂付属学校の学徒エリュース。
この二人を筆頭にたくさんの魅力的な登場人物が現れ、各々が各々の動機を持って物語を織りなしていきます。
驚くべきは、一人一人の人物の解像度の高さです。「なぜ」が一つも湧かないほど、各人の背景や人物像が細やかに描写されており、だからこそでしょう、大変なリアリティを感じます。
また、作品の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!謎と錯綜する想い――これは愛が生んだ悲劇と奇跡の物語
完成度が非常に高い。海外ファンタジーを好む方は是非一読を!秘められた過去、謎めいた状況と登場人物たちと迫る予言。最初は、誰が敵で味方かすらもはっきりとしない中、一人の少女を救おうと大きな力に知恵と勇気で挑む少年たちの姿にハラハラしながらも、読む手が止まりませんでした
一話一話が長めですから、是非、時間を取りじっくり腰を据えて読んでいただくことをお勧めします。随所に伏線が散りばめてあるので、謎が解けていく後半にやりとできます。
主人公の少年少女たちも生き生きとしていますが、この物語、登場する大人たちもまた魅力に溢れています。忍び寄る暗殺者、謎めいた貴族女性、探偵者の主人公を張れそうな頭脳を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絡み合い、集束していく群像劇
なじみのある近世・近代ではない、歴史考証された中世ヨーロッパが舞台です。ただし、魔術が息づく世界観としてアレンジされています。
そこには村でも町でも、たしかな人々の暮らしがあります。王公貴族、騎士団、そして宗教勢力の争いも。
物語の軸となるのは二人の青年と一人の少女。
この少女は「女性」といった方が正しいのかもしれませんが、彼女の背負うもののせいで姿ははかなげな少女そのものです。その辺りはぜひ読んでいただきたい。
そして彼らを取り巻く人々が多彩であり、ひとりひとりが確固とした人格を持っています。全員が生活の背景を持ち、考え、生きている。
これだけの登場人物が書き分けられ、その行動の結果とし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!練りに練られた世界観と、様々なキャラクターたちの想いが交錯する、
上質な群像劇的ファンタジーです!!
この小説を読み進めていくうちに思ったのは、主人公は誰だっただろうか?でした。
それほど主人公を取り巻くキャラクターたちは印象的で、彼らを視点としたエピソードが、ものすごく濃ゆい。
もちろん、タオとエリュースも魅力的なキャラクターです。彼らの友情は、ダークかつシリアスなこの物語に必要不可欠であり、重くなり過ぎないようにしてくれています。時々羨ましいぐらいに眩しくもある(笑)
作者の繊細な文章力により、その複雑に絡み合う関係、心理描写もきちんと読み取ることができ、キャラクターたちの想い、思惑がわかってきた瞬間、物語はグンと面白さを増します。
ぜひとも1話2…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絡み合う思惑と謎! どっぷり浸かりたい王道ファンタジー。
二人の青年が少女と出会い、関係者らの思惑に翻弄されつつも信じる道を突き進む王道ファンタジーです。
どっしりとした世界観と精緻な人物描写、絡まり合う謎の数々が読者の心を掴んで離しません!
何と言っても、世界観が魅力的です。
現実世界の中世ヨーロッパ生活様式を忠実に取り入れつつも、独自の文化や歴史が緻密に練られていて、異世界なのにリアリティに溢れています。
また、多数の人物が登場しますがそれぞれが個性的。エピソード毎に語り手が変わり、読者は物語を多層的な眼差しで見守ることができるはず。
これだけ多くの人物を作り上げ、各々に活躍の場を用意して伏線を織り込んでいく。そうして一つの壮大な物語を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!確かな地力の成しえる、豊かな表現力。
しっかりと作られた世界観。
一章からして町や村の風景描写は細かく、さらに宗教やそこに存在した聖人の存在など、細かい部分まで『きっちり作ったんだろうなぁ』と窺える表現が多く、感心のため息が出てしまいました。
この土台を固めるのにどれだけの時間を費やしたんだろうな、と思うと、脱帽の思いです。
また、それらを表現するのも流麗で、『なるほど、これはこうなっているのか』と理解もしやすいように思えました。
それも世界観をしっかり作っているための、表現に際しての淀みなさがなせる業なのだろうな、と。
落ち着いた、静かな語り口。
情景描写がしっかりとしており、過度な装飾語を使わず、自然な描写で風景を描く力が…続きを読む