最終話 エルフのジャンと、弟子のマルーイ
予定通りに日程を消化し、7日目の夕方にはジャンとマルーイはダンジョンを出た。山の端に消えゆく夕日があまりにも眩しくて、それが帰ってきたことを実感させてくれる。
調査の結果としては、上々であると言えた。"模様替え"直後の
5層以降、6、7層はおおむね5層と変わらない、従来の中層の構成を少し弱化させたような、いうなれば中層移行への訓練に適した構成となっていた。
帰路の1,2階層にはジャンの予想通り魔物の配置が完了していて、初日にジャンたちが休憩をとった小部屋にゴブリンが営巣していたりした。今回は討伐はせず、記録だけをとって帰還した。
「さて、エリネールへの報告も終わったところだ。今日は
「はい、
「なに。マルーイ、君がいてくれて私も大変助かった。もしよければ、これからもよろしく頼むよ」
ジャンは一週間にわたる探索ですっかり薄汚れた皮手袋を外してそういうと、自身の右手を差し出した。マルーイは戸惑いなくその手を取った。
「喜んで。これからもよろしくお願いします。
マルーイは太陽のような笑みを浮かべた。
・
後日、ジャンは正式にマルーイを弟子とした。
これを持ってこのお話の顛末とするが、これ以降の話、もしくはこれ以前の話は、何れ然るべき時が来れば語ることにしよう。
名残惜しいが今回は、この辺で筆を置かせて頂く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます