日と影とー大坂淀屋闕所始末

　大坂淀屋の４代目岡本重当と盟友で総支配の牧田仁右衛門は、お互いに「日と影」となって、いまや大名貸しなどで巨大化し過ぎた淀屋の取り潰しの機会を窺う幕府と熾烈な長い闘いを繰り広げていた。やがて重当は死に、仁右衛門や手代の勘七の補佐のもと若い広当が5代目を継ぐが、二人の諫言に反発した広当は新町遊郭へ通いはじめ、吾妻太夫と深い契りを結んで家業を顧みなくなる。やがて幕府は・・・
　淀屋橋や常安橋に今もその名を残す豪商淀屋の悲劇的な戦いとその興亡、そして仁右衛門の手による形を変えた復活の大長編物語。