弱い自分を受け入れて彼女は更に強くなる。恋よりももっと深い愛の物語。

白銀の狼の続編です。
狼になれない女の子レティリエが、村一番の実力者グレイルと結婚したあとのお話。

前作ではレティリエの恋が成就するまでの過程が、それはそれは苦難の連続で描かれますが(最終的にはハッピーエンドなのでご安心を!)、その続編となる今作は「恋する女の子」よりももっと深い「愛」が村存亡の危機と共に描かれます。

村を襲った別の狼の群れ。引き裂かれる仲間たち。初めて目にする同胞の殺し合い。
力こそすべてと掲げる敵の狼の前では、狼にすらなれないレティリエは完全に弱者です。おまけに最愛の夫に別の番(つがい)まで宛がわれ、自分の唯一の居場所すら失われてしまう。
今作はそんなレティリエが弱い自分と正面から向き合い、「狼になれない自分」を本当の意味で認め、受け入れる成長のお話でもありました。

次々と襲いかかる試練と悲劇。力社会である狼の群れの生き方をまざまざと見せつけられ、時には残酷過ぎる展開に息を詰まらせてしまうほど。けれどもこれが自然の狼社会のありかたなんだよな……と、時々ハッとさせられました。

レティリエが自分を認め、グレイルも彼女をひとり(一匹)の「狼」であると認めた時、ふたりの絆はより強く結ばれる。その後に感じることの出来るカタルシスは、序盤を読んでこそ強く胸に響きます。
なのでぜひ! 最後までレティリエとグレイルが進む道の先をその目で見届けて欲しいです! 出来れば1作目から!
最終話を読んだ後には、心の底から「良かったねぇぇ」って泣いてしまうことでしょう。←泣いた。

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