14ページ目:足元のライン
足元には一本のライン
あたしはこっち そして
あなたはラインのあっち側
あなたと出会ったときから既に
ラインは引かれていたから
あたしはいまだ
そこを越えることができない
あの子も その子も
ラインなんて気にせず
誰かの元へ飛び込んでいけるのに
あたしは見つめるだけ
手を伸ばすことすらできやしない
もう 彼方を向くあなたは
こっちを振り向いてはくれないのかな
足元のラインが阻むから
その背中にすがりつくことなんて
あたしにはできない
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