15ページ目:天使が見ている

月も星も隠れてしまい

世界が闇に落ちる中

切り立つ崖にへばり付き

見えない道をそれでも歩む


まだ道は続いているだろうかと

そろりと一歩

振り仰ぐ空に光を求めながら

また一歩


いつしか目も霞み 耳には声が響く


向こうの彼は光り輝く野を駆けているよ

向こうの彼女は青空を飛び回っているよ

誰かは鮮やかな光景を楽し気にうたった


いつ道を踏み外してしまうのか

それとも道は次の一歩で途切れてしまうのか

暗闇の中それでも進む

響く声に唇を噛み締めて


羽音と共に広がる笑い含みの声

ああ 天使がきっと私を見ている

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る