12ページ目:夜空のせい

電燈が途切れた道の片隅で

通り過ぎる風が

ほらごらん なんて

顎先を弾いたものだから


瞳を思わず上げてしまって

思わず瞳を上空に縫い付けてしまったりして


届かないことは分かっているのに つい

指を伸ばしたりなんかしてしまったりして


これは全部

あの酷く近くに見えて遠い

白く 赤く 輝く星々と

澄んで深く広がり包むような 秋の夜空のせい


少し悔しく唇を尖らせてみたって

昇り始めたオリオン座は笑っているだけなのだけど

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る