6ページ目:わたしは声で

わたしは 声で

恋に落ちたのかもしれない


会わずにしばらく経って

段々と霞むあの人の姿

笑うと幼く見える瞳や

切りそろえられた爪

その色が形が ゆるゆると

輪郭を無くしていくのに


耳元で響くあの声は

今もなお 鮮やかで

思い出すたびに

会いたい と 

口に出せない言葉が募った


あなたの声が好きです

隠した好意の言葉に

それでも滲む甘さと愛しさ


そんなわたしの声を

あの人は まだ

覚えてくれているのだろうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る