最初は「よくあるかなぁ」と思っていましたが、ところどころ「おや、これは化けるぞ!」と思いながら読み始めました。評価される理由があります。
物語の緩急のつけ方が実にお見事で、甘さとほろ苦さの絶妙なバランスで、クレームブリュレを食べているかのよう。
読者の方へ向ける作者様の言葉からはキャラに対する、真摯な思いと愛情を感じます。決して、「自分好みに造り上げたキャラ」ではなく「舞台に降り立った俳優」としてキャラを動かしているような印象を受けました。このようにキャラを動かせる方はやはり、才能があるのだろうと思います。
ネタバレはあえて書かないようにして、一言感想の方に載せました。
短い感想にも素早く返信を下さって、作者様には尊敬の念を抱きました。長文の感想になってしまってすみません。また、彼らに会える日を楽しみに待っています。
この物語は、不憫な彼女と冷酷と噂される皇帝が出会ったところから、花開く運命と共に回り始めます。
主人公は、かつてないほどの不憫な少女です。
伯爵の養女なのに酷い虐待を受け、王宮で侍女見習いをしていてもいじめを受け、その後も連続でとんでもない酷い目に遭っていきます。
そんな不遇な彼女ですが、真っ黒な環境に負けずに、ひっそりと美しい心を咲かせたまま生き続けています。
本当に力いっぱい応援したくなるくらいの良い子で、読まれた方は自然と感情移入していくこととなるでしょう。
お相手の皇帝は、最初こそあんまりな呼称で主人公を呼び続けていますが、彼の天然ぶりを知っていくうち、抱えている事情を知るうち、こちらも応援したくなってくるのではないでしょうか。
かなり最後まで主人公が酷い目に遭いますし、かつてないほど焦らされもしますが、だからこそ最後に主人公が可愛らしく花開く姿は感慨深いものがあります。
陛下だけの花になるその瞬間を、是非ともご覧頂ければと思います。
銀狼国の皇帝は銀狼の血を受け継ぎ、その血によって強大な力を発揮するというのです。が、その代償として肉体に激しい痛みを受け続けることになる。その痛みを癒すことのできる唯一の存在が「花の乙女」と呼ばれる特殊な力を持つ女性たちでした。
「冷酷皇帝」の異名をもつ皇帝ウォルフレッドは、激しい皇位争いを勝ち抜いた若者ですが、残酷であるとの噂が絶えません。
その冷酷皇帝のもとへ侍女として召し抱えられたトリンティアは、貴族の養女ではありましたが、激しい虐待に遭った過去を持つ薄幸な少女。そんな彼女がある日、仲間の意地悪で、誤って皇帝ウォルフレッドと王宮の廊下でぶつかってしまうのです。
恐れおののき、死を覚悟するトリンティアでしたが、冷酷皇帝のリアクションは彼女の予想を超えていました。
なんと、トリンティアは特別な力をもつ女性、「花の乙女」であったらしいのです。
トリンティアは、運命の導きにより皇帝の側に仕えることになります。ですが、そのお役目はなんと抱き枕。なんと「花の乙女」であったトリンティアは、皇帝の痛みを癒すため、肌身離さず侍らせられることになるのです。
しかも銀狼の力を持つウォルフレッドは、トリンティアのことを「鶏ガラ」と呼び、まるで荷物のように片手で抱えて王宮内を歩き回ります。最初は怖くて仕方のなかったトリンティアなのですが、だんだんウォルフレッドの本当の姿を知るにつれ彼に……。
一方ウォルフレッドも政治的な理由とか、おのれの痛みを癒す鎮痛薬としてトリンティアを利用するつもりでいたのですが、純真な彼女にだんだんと興味を持ち始めます。
が、うまく異性とコミュニケーションを取れない二人は、勘違いと誤解をつみ重ねます。
惹かれ合っているのに、すれちがう二人の気持ち。物理的な距離は極めて近いのに、その感覚や価値観は、天と地ほどもズレているのです。相手を思いやる行動が誤解を呼び、裏目裏目と食い違ってゆく二人の気持ち。しかも、王国はいま不穏な状態なのです。
恋愛物としても一級品ですが、宮廷物としても完成度が高いです。ひとたび渡り始めたら、延々と揺れ続ける吊り橋のよう。どきどきしっぱなしで、思わず相手の腕にしがみついてしまいそうな物語です。
つぎつぎと展開するストーリーが、読み始めたら最後、あなたの心をぐいっぐいっとつかんでラストのページまで放さないことでしょう。
養父に虐待を受けて育った少女トリンティア。王城に奉公に出されるも周りの女たちからいじめられる毎日。しかし、突然あることがきっかけで侍女見習いから皇帝陛下のおそばに仕える身へとランクアップ。
想像もしなかった展開に戸惑うトリンティアですが、彼女はある特別な力をもっていたのでした。
虐げられた少女が幸せをつかむ物語ですが、ただのシンデレラストーリーでは終わりません。抱き枕ってなに!? の疑問は読み進めるうちに明らかになります(笑)
流麗な筆致で物語はスピーディに結末へ。
トリンティアがおいしいものを食べるシーンがほっこりします。
皇帝の脇をかためる側近、ゲルヴィスとセレウスがよい味を出してます。
最近、抱き枕成分が不足しているあなたにおすすめいたします♡
銀狼国の冷酷皇帝ウォルフレッドは銀狼の血筋を継ぐものです。
銀狼への変化の能力故に激痛に苦しめられて、苦痛の日々を送っていました。
陛下の苦痛を癒せる存在が唯一あって、それが花の乙女。そうヒロイン、トリンティアなのでした。
トリンティアは陛下の傍に侍るようになりますが、虐げられた辛い過去ゆえ、陛下に対して怯え、自信がなく、痩せっぽっちで鶏ガラと呼ばれる始末。
そんなトリンティアと陛下の間に芽生える恋を描いたストーリーです。
流れるような文章の美しさが素晴らしく、勉強になるわ~と技術を盗みながら(盗めてないけどね)、ドキドキと危うい場所に踏み込んでいくような心のやり取りに感銘しつつ、ああ、楽しい。面白いぞと終始作品に惹きつけられていました。
これが魅せるということなんでしょうね。
綾束さんの文章って華やかなんですよ。読んだ人が一瞬で虜になると言いますか。比喩のすばらしさ、ドラマティックな展開。
読んでぜひその美しさを味わって頂きたく思います。
陛下がメチャかっこいいんだよ(≧◇≦)!! と。
おススメ致します(*^▽^*)
銀狼国の男性皇族は、人知を超えた『銀狼』の力と、その代償をその身に受けます。
そして、そんな彼らを癒やすのは『花の乙女』の女性たち。
『花の乙女』を求めていた皇帝ウォルフレッドと、自分が『花の乙女』であることを知らずにいたトリンティアが出逢うことで、物語は始まります。
幼少時に虐げられてきたために、自分を否定してばかりのトリンティア。
彼女の言動や、大きな勘違いは、ちぐはぐでおかしいとも言えるのですが、読み進めていくうちに応援せずにはいられなくなってきます。
「そうじゃないから!」「そんなんじゃダメでしょ!」と、背中を押してあげたくなるのです。
そして、徐々に明らかになっていく真実に、「……つまり、そういうことだったの!?」と、叫ばずにいられません。
これから花咲くトリンティア。
凛々しい……けれど、「その礼儀正しさは違う!」と叱りつけたくなってしまう(ごめんなさい……)皇帝ウォルフレッド。
このふたりを、ぜひ皆様に見守っていただきたいです!
伯爵家の養女とは名ばかりの扱いを受けていた主人公のトリンティア。
彼女は銀狼国の王城へ侍女見習いの奉公にあがることに。
そして王城で『冷酷皇帝』と呼ばれるウォルフレッドに出会い、トリンティアの運命の歯車が回り始めます!
トリンティアはウォルフレッドが探し求めていた『花の乙女』なのですが、彼女は伯爵家で虐げられていたこともあり、自己肯定感がとても低く、まともにウォルフレッドと相対することができません。
ウォルフレッドのほうも『冷酷皇帝』と呼ばれるだけあって、大きな態度をとりがちでトリンティアを恐がらせます。
こんな感じでラブきゅんな展開が訪れるのかと疑問に思うかもしれませんが、そこをしっかりと補ってくれる『花の乙女』と銀狼国皇帝の切っても切れない宿命がしっかりと設定されていて、しっかりラブきゅん出来るんです!
しかもその後、お互いをゆっくりと知っていき、どんどん二人の距離は縮んでいきます☆
ラブストーリー以外のストーリーもしっかりと作り込まれていて、後半には大きな事件も起き、最初から最後まで目が離せない物語でした☆
伯爵家の養女でありながら、不遇な扱いを受けて育ってきたトリンティア。それは、王城への侍女見習いにあがってからも変わることなく、同室の者達からバカにされ、嫌がらせを受けています。
だけどそんな彼女の運命に転機が。冷酷皇帝と恐れられる、新皇帝ウォルフレッド。ふとしたことから彼とぶつかってしまい、いよいよ人生の終わりかと思われるたところで、彼女が皇帝にとって特別な存在である、『花の乙女』であるという事実が判明します。
ここで一気にハッピーエンドとなればよかったのですが、そう簡単にはいきません。何しろいきなり重要な立場となってしまったのです。作法も知らず、覚悟もなく、さらには今までの扱いによって出来上がった貧相な体つきにより、ついたあだ名は『鶏がら』。ある意味今までよりずっと大変なことになってしまったかも。
しかし、甘々なシンデレラストーリーじゃないのとお嘆きの方々。その一点に関しては、何の心配もいりません。
冷酷皇帝と鶏がら。この一見どうやっても甘くなりそうにない組み合わせですが、それでも甘くなってしまうのが見事なところ。どうか、キャーキャー叫ぶ準備をしてからご覧ください。
伯爵家の養女でありながら、酷い扱いを受けて育ってきた女の子、トリンティア。
お城で次女見習いとして働く彼女ですけど、同僚の女達にまで意地悪をされる始末。
心根の優しい女の子が辛い思いをしていると、心苦しくなりますよね。ですが、注目すべきはここから。
実はトリンティアは皇帝・ウォルフレッドが長年探し求めていた、『花の乙女』と呼ばれる特別な存在だったのです。
いじめられっ子が学校一番のイケメンと付き合うくらいの、人生の大逆転。こういうシンデレラストーリーは、皆さん好きですよね!
ただこの皇帝と言うのが、多少難があって。『冷酷皇帝』と呼ばれ人々から恐れられる、恐いお人だったのです。
トリンティアってば貧相な体つきのせいで、『鶏がら』なんて呼ばれる始末。
陛下、それはいくらなんでもあんまりです。ちゃんと名前で呼んであげてください!
だけどそんな冷たいように見える陛下ですが、意外と優しい一面もあって。
かけられる甘い言葉、トリンティアの事を大事にする源藤に、キュンキュンドキドキが止まりません。
読む際には、心が糖尿病にならないように注意が必要な本作。
だんだんと冷酷皇帝に惹かれていく反面、天と地ほどの身分差に悩み、だけどやっぱり好きになっていく気持ちは止められないトリンティアを、応援せずにはいられません。
頑張れ鶏がらトリンティア!
これまで散々に虐げられてきたヒロイン・トリンティアが、ひょんなことから冷酷皇帝・ウォルフレッドに召し上げられる、いわゆる『溺愛もの』に分類される本作。
私、普段はこのジャンルのものをあまり読まないのですが、作者さまの巧みな筆致で、すっかりこの物語に惹き込まれてしまいました。
銀狼の血に蝕まれる皇帝を癒す『花の乙女』の設定が秀逸です。皇帝にとってなくてはならない存在なので、政治的な駆け引きに利用されたりします。
ただただ甘い恋愛のストーリーではなく、硬質な側面の展開がこの物語に深みを与えています。
その生い立ちから、ものすごく自己肯定感の低いトリンティア。
彼女の心理の動きが非常に丁寧に綴られており、ウォルフレッドへの想いの変化にも共感しました。
立場上、冷酷な仮面を自ら被り続けてきたウォルフレッド。
自分の心に向き合い始めたトリンティア。
数々のしがらみを越え、いつか二人は真の愛で結ばれるのでしょうか。
ラストまで目が離せません!
でも、ついつい親しみを込めて(?)呼びたくなっちゃうんですよ、『鶏ンティアちゃん』と(コラッ
冷酷皇帝の名を持つウォルフレッドを癒す『花の乙女』であるトリンティアちゃん、ええ、この子、可哀相なくらいにガリガリでして。食べて!もっと食べて!!肥えて!!と何度画面越しに念を送ったかわかりません。美味しいものを食べているところを見て(読んで)、こんなに安心するヒロインなかなかいませんよ。私は親戚のおばちゃんか。
今回も安定のお砂糖たっぷりなお話です。さすが綾束さん、お砂糖の量がえげつない。
とはいえ、のっけから糖分全開、フルスロットルで砂糖をまき散らしているかというとそうではありません。あれ、今回は甘さ控えめ……?と読み進めていくうちに、あれよあれよと。気づけば「ちょ、陛下、それ以上は……!(読者が死んでしまいます)」となるわけですね。
内容としてはとってもシリアスなんですけど、堅苦しいなんてことは一切ありません。時に憤慨し、涙し、そして甘さに悶える!
まだまだ続いている本作、これからの展開も楽しみでなりません!!
この作品、三話読んで、ハマらなかったら、私は驚きます。
ヒロインである伯爵家の養女トリンティアは残酷な子ども時代を過ごし、虐待を受けた後遺症から、人が恐ろしくて仕方がなく、できるだけ目立たないように生きて来た。
そんな可哀想な女性が、なんと冷酷と呼ばれる王の特別な存在、「花の乙女」であったのだ。
「銀狼の血」をもつ王は、「花の乙女」によってしか、体の痛みを癒せない。
この王がね、セクシーなんです。強くたくましく、そして、優しい。
もうね、物語を読んで、この王に惚れない人はいないでしょう。素敵です。
騙されたと思って三話、読んでください。もうトリコになります。
甘くもあり、未だ癒せぬものもあり。これから、をドキドキしながら追いかけてしまうお話です。
トリンティアは屋敷では役立たず扱いされ、姉の代わりとして王宮の侍女の奉公にやってきました。環境のせいで意志を抑圧され、満足に栄養も摂れなかった「鶏がら」のようだと揶揄されますが、冷酷皇帝こと銀狼国の皇帝ウォルフレッドに「花の乙女」として見出だされる……というシンデレラ・ストーリー。のはずです。
何故「はず」かというと、花の乙女になったとはいえ、一筋縄ではいかない不穏な空気が漂っているからです。自己肯定感の低いトリンティアも、悪夢に苦しむウォルフレッドも、お互いに傷と乗り越えるべき障害を抱えています。周囲の目もすぐに変わるものではありませんし、風当たりは強い部分もあるかもしれません。そんな状況からトリンティアが花の乙女となったことで、二人はどんな道を歩むのか。ときめきとハラハラを一緒に抱えながら見守っていきます。
もう、この作者様が織りなす恋愛物語に余計な言葉はいりません。
甘々で、溺愛で、文字を目で追って、脳に入れるたびに口から砂糖が出る。
そんな作品を読みたかったら、こちら!!
迷わず、どうぞ!!
伯爵家の養女でありながら虐げられて育てられた主人公トリンティア。
姉の代わりに冷酷皇帝と評判のウォルフレッドのところへ奉公にあげられるのですが……。
もう、ここからこの作者様の本領発揮です。
続きはどうぞ、本編で!
カクヨムコン参加作品なので。
レビューや☆が推し作家さんの順位を押し上げることになります。
「読む」側のみなさん。どうぞ、惜しみない☆やレビューを、応援作家さんにお贈りください。
一言でもいいんです。コメントを書いて下さい。
それが、作家さんの力になり、明日への創作意欲になるんです。