乙女は愛され、美しく花開く

この物語は、不憫な彼女と冷酷と噂される皇帝が出会ったところから、花開く運命と共に回り始めます。

主人公は、かつてないほどの不憫な少女です。
伯爵の養女なのに酷い虐待を受け、王宮で侍女見習いをしていてもいじめを受け、その後も連続でとんでもない酷い目に遭っていきます。
そんな不遇な彼女ですが、真っ黒な環境に負けずに、ひっそりと美しい心を咲かせたまま生き続けています。
本当に力いっぱい応援したくなるくらいの良い子で、読まれた方は自然と感情移入していくこととなるでしょう。

お相手の皇帝は、最初こそあんまりな呼称で主人公を呼び続けていますが、彼の天然ぶりを知っていくうち、抱えている事情を知るうち、こちらも応援したくなってくるのではないでしょうか。

かなり最後まで主人公が酷い目に遭いますし、かつてないほど焦らされもしますが、だからこそ最後に主人公が可愛らしく花開く姿は感慨深いものがあります。
陛下だけの花になるその瞬間を、是非ともご覧頂ければと思います。

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