『鶏がら』なんて呼んでくる冷酷皇帝。だけど惹かれてしまいます。

伯爵家の養女でありながら、酷い扱いを受けて育ってきた女の子、トリンティア。
お城で次女見習いとして働く彼女ですけど、同僚の女達にまで意地悪をされる始末。

心根の優しい女の子が辛い思いをしていると、心苦しくなりますよね。ですが、注目すべきはここから。
実はトリンティアは皇帝・ウォルフレッドが長年探し求めていた、『花の乙女』と呼ばれる特別な存在だったのです。

いじめられっ子が学校一番のイケメンと付き合うくらいの、人生の大逆転。こういうシンデレラストーリーは、皆さん好きですよね!
ただこの皇帝と言うのが、多少難があって。『冷酷皇帝』と呼ばれ人々から恐れられる、恐いお人だったのです。

トリンティアってば貧相な体つきのせいで、『鶏がら』なんて呼ばれる始末。
陛下、それはいくらなんでもあんまりです。ちゃんと名前で呼んであげてください!

だけどそんな冷たいように見える陛下ですが、意外と優しい一面もあって。
かけられる甘い言葉、トリンティアの事を大事にする源藤に、キュンキュンドキドキが止まりません。

読む際には、心が糖尿病にならないように注意が必要な本作。
だんだんと冷酷皇帝に惹かれていく反面、天と地ほどの身分差に悩み、だけどやっぱり好きになっていく気持ちは止められないトリンティアを、応援せずにはいられません。
頑張れ鶏がらトリンティア!

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