こんなにも鉄パイプとメリケンサックとジャージの似合うヒロインがいただろうか。
最初から最後まで「ぶっ殺す!」「死ね!」の連発なのに、なぜか深~い愛情を感じるのがお見事。
きっと彼女の愛情表現が「ぶっ殺す」なんだろうな!(と思いたい)
彼女のフルチューンランエボも見たい気はしたけれど、敢えて書かないことで想像する楽しみが残ったのかもしれない。
豆腐は積んでないけど、鉄パイプと木刀はきっと装備してるんだろうな、とか余計なことまでいろいろ想像しちゃうのも楽しい。
ラスト、彼の名づけによるのだろうと思われる「最悪にダサいけど最高に愛を感じる」あの社名。笑わずに読めたらある意味凄い。
喘息持ちの方は吸入器を準備してから読んでください!絶対笑います。
なんで雪の峠道をFR2台が疾走してんの〜?
雪道のFR(フロントエンジン・リアホイールドライブ)車両は相性最悪。
法定速度でまっすぐ走るだけでも苦労しそうなところ、峠を攻めてますからね。
昭和産のスプリンター・トレノとサバンナRX―7では車格に差があって、飛車角落ち……いや飛香落ちくらいかな?
サバンナRX―7(車両形式FC3S)は当時国内トップクラスの速いクルマ。
一方のスプリンター・トレノの4AGというエンジンを積んだモデルが車両形式AE86、いわゆるハチロクといわれるクルマです。テンロク(1.6リッター)エンジンのクルマとしては速いのですが、小排気量車のため、トップクラスとは勝負になりません。
FC3Sの方も排気量は小さいのですが、ロータリーエンジンという特別なエンジンを積んでますから3リッターカーくらいの動力性能があると思います(この辺りは曖昧です。すみません)。
ただ、雪の中を走るのであれば、パワーはむしろマイナス要因になりかねませんからね。ちょっとアクセルワークを間違えると滑ってしまいます。FF(フロントエンジン・フロントホイールドライブ)車両だとまだ滑りにくいのですが。
作中でクルマがスリップしてはカウンターを当ててと、美冬さんが苦労している様子が描かれています。
ほう。雪道を疾走すると、そんなにもクルマがお尻を振るんですね。
さすがに経験者は描写が違う。
あとアンダーステアが出てきましたっけ? アンダーステアというのは、コーナリング中に車両が外側へと膨らむこと。
『アンダーが出る』とか『どアンダーな車両』とステアを省略して言われることも多いです。
何、この専門用語の嵐? 走り屋かモータースポーツ好きな人しかわからないじゃないですか? あるいは、頭文字(イニシャル)Dの愛読者?
あっ、高知市では数年前まで、車両の横に『藤原とうふ店』と書かれたパンダトレノを見かけましたが、最近見ませんね〜★
さすがに30年以上前のクルマだからね。
今回『おっぱい』目立ちませんでしたね〜。いや、ちゃんとあったんだけれど、FC3SやらR32やらAE86の衝撃に隠れたというか。
クルマについて詳しくない読者は、また別の視点でこの作品を読むんだろうな?
ある一定の世代のクルマ好きには、ピンポイントで刺さる作品でした✴