《えーきちさん》溶けた雪なのに、いっそ爽快!


 筆致企画の『雪を溶く熱』はいくつか読ませていただきましたが、本作がもっとも意表を突き、そのくせ奇をてらわず、すぱーんと入る爽快感を与える内容でした。

 軽快でテンポのいい主人公の独白。徐々に明かされる二人の関係。そこから、まさかのバトル展開。ラストの「え? そっち?」という、はぐらかしによる痛快さ。雪が溶けて水になり、情景描写は妙に湿っぽいのに、内容はからっとしていて、いっそ爽快。
 この長さで、この内容。あらゆる意味で楽しませていただきました。

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