花の乙女は冷酷皇帝の心を融かせるか?

 甘くもあり、未だ癒せぬものもあり。これから、をドキドキしながら追いかけてしまうお話です。

 トリンティアは屋敷では役立たず扱いされ、姉の代わりとして王宮の侍女の奉公にやってきました。環境のせいで意志を抑圧され、満足に栄養も摂れなかった「鶏がら」のようだと揶揄されますが、冷酷皇帝こと銀狼国の皇帝ウォルフレッドに「花の乙女」として見出だされる……というシンデレラ・ストーリー。のはずです。
 何故「はず」かというと、花の乙女になったとはいえ、一筋縄ではいかない不穏な空気が漂っているからです。自己肯定感の低いトリンティアも、悪夢に苦しむウォルフレッドも、お互いに傷と乗り越えるべき障害を抱えています。周囲の目もすぐに変わるものではありませんし、風当たりは強い部分もあるかもしれません。そんな状況からトリンティアが花の乙女となったことで、二人はどんな道を歩むのか。ときめきとハラハラを一緒に抱えながら見守っていきます。

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